2025/4/4 公開
難病の種類や、障害の程度によって異なりますが、実際には難病患者のなかには仕事をしている方もいます。以下、現状を見ていきましょう。
2021年に難病者の社会参加を考える研究会が発行した「難病者の社会参加白書」によると、難病者の就業率は約60%であり、様々な困難がありながらも、半数以上は何らかに仕事に就いていることがわかります。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構、障害者職業総合センターの「難病の症状に応じた就労困難性の実態及び就労支援のあり方に関する研究」※2によると、難病のある方が体調が良い時に就職活動を行えば、約80%は就職に成功しているとの結果も出ています。
これらのことから、難病患者のなかには就業している人がおり、その数は決して少なくないことがわかります。
難病の患者でも働けるようになったのは、当事者による努力とともに、次のような環境的な要因が挙げられます。
医療技術の進歩により、難病を抱えていても通院治療や服薬などを続けることで、ある程度安定した生活を送ることができるようになりました。
つまり、難病を抱えていながらも。安定的に治療・服薬を続ければ、就業することができるものと期待できます。
医療費助成制度を活用することで、難病の治療に関する経済的負担を軽減することができます。難病の患者にとっては、治療に大きな費用をかけずに済むため、
自分の体調に合うような仕事のスタイル、就業時間を選択することができます。
昨今、インターネットに接続できる環境さえあれば、テレワークなどで自宅などで仕事ができるようになりました。このような環境は、症状の重さが日によって異なる難病患者にとっては好都合であるといえます。
よって、テレワークを続けながら、体調が良い時に集中して仕事をし、体調が悪いときには仕事をセーブするなど、労働者が自身でコントロールすることができます。
難病の方に適した仕事・環境は次のとおりです。
上記の全てを満たす仕事、職場を探すことは難しいかもしれませんが、次に示すステップを踏んで、自身の状態にあった仕事・環境を見つけてみましょう。
まず主治医に相談し、次の点について助言をもらいましょう。
障害者就業・生活支援センターとは、障害や難病を抱える人の就業・生活の両面から一体的な相談・支援に応じてくれる機関です。就職活動をすることに不安がある方は、この機関を利用して、次のような困りごとを相談してみましょう。
ハローワークには、難病患者就職サポーターが配置されています。
難病患者就職サポーターは、これから就職しようとする難病患者に対して、病気の特性を踏まえた細かな就労支援だけでなく、在職中に難病を発症した方の雇用継続の総合的な支援を行っています。
また、ハローワークには、を中心とした障害者向けチーム支援が行われており、難病患者就職サポーターが配置されていない所も含め、全国500 所以上のハローワークで実施されています。
難病を抱えていても、適切な医療を受け容態が安定していれば、仕事をすることができます。ポイントは仕事のやり方に工夫を加えることです。
自分に合った仕事を探したい方は、まず、難病患者就職サポーターが配置されているハローワークにコンタクトを取ってみることから始めましょう。