移行期支援とは、子どものころに発症した慢性疾患や障害を持つ方が、成長に応じて成人期医療へスムーズに移行できるよう、医療・福祉・教育などの関係機関が連携して行う支援のことです。
ここでいう「成人期」とは、おおむね20歳前後から60歳ごろの年代を指します。
医療技術の進歩により、病気や障害を持つ子どもの生存率は向上し、成人期を迎える方が増えています。
小児期と成人期では医療制度などが異なるため、その移行が円滑に進まなければ、適切な医療を受けられなくなったり、必要なケアが途切れてしまう可能性があります。
そのため、患者の成長や年齢に合わせて、成人期医療へ移行するための支援を行うことが重要となっています。
このような状況を踏まえて東京都では「東京都移行期医療支援センター(TCSC)」を中心としたさまざまな取り組みを進めています(※1)。
TCSCは東京都立小児総合医療センター内に設置された、小児期に慢性疾患を持つ方が成人期に適切な医療を受けられるよう支援することを目的とした中核的な機関です。小児慢性疾患患者とその家族が、病気と向き合い、自立した成人として社会に巣立てるよう、医療移行を円滑に進めることを目指しています。
小児から成人期医療へと移行する患者本人や家族の方に知ってほしいことのひとつとして、成人期医療への移行は単なる利用制度の切り替えや、診療科の変更といっただけのものではありません。
また、これまでの主治医や医療機関などとのつながりや信頼関係が失われる訳でもありません。
患者がこれからの人生を過ごすため、主体的に病気や体調を理解したり、ライフステージに合わせたケアを受けられるような体制をつくっていくのが移行期支援なのです。(※2)
小児期から慢性疾患を抱える方、具体的には、主に医療的ケア児や小児慢性特定疾病・発達障害・その他慢性的な疾患や障害を持つ10代半ばからの患者がその対象となります。
また、患者の家族や関係者も対象に含まれます。
移行支援の対象年齢は一律に区切られているものではなく、患者に合わせて段階を踏みながら行われます。
一般的には10代半ばごろから移行準備として、患者本人が自己管理や病状の理解などに触れ、医師や家族で移行計画の作成や医療情報の整理が行われ始めます。
本格的に移行が行われる段階(一般的に10代後半から20代前半)においては、小児科から対応した成人科への移行や、利用している支援制度の変更が行われます。そして多くの場合、18歳から20代前半にかけて移行を完了することが目標とされています。
移行期医療に関する支援全般について相談したい方には、まず「東京都移行期医療支援センター(TCSC)」へ相談をおすすめします。
【東京都移行期医療支援センター(※3)】
【大田区 障害福祉課】
【大田区 保健所 健康推進課(各健康センター・健康相談所)】
東京都移行期医療支援センター(TCSC)への相談は、原則としてTCSCのホームページにある電子申請サイトを通じて行います(※3)。
電話やメールでの問い合わせも可能ですが、まずは電子申請が推奨されています。
専用フォームがありますので、現在の状況などを入力・送信してTCSCからの連絡をお待ちください。
大田区の障害福祉に関する制度やサービス、医療に関する相談については、上記の大田区 障害福祉課または各健康センター・健康相談所にお問い合わせください。