大田区重症心身障がい児(者)等在宅レスパイト・就労等支援事業

「大田区重症心身障がい児(者)等在宅レスパイト・就労等支援事業」は、重い障害のある子どもを育てる家庭への負担軽減と保護者の就労を支える制度です。対象や申請方法、注意事項など詳しく解説。


大田区重症心身障がい児(者)等在宅レスパイト・就労等支援事業とは

大田区の「重症心身障がい児等在宅レスパイト・就労等支援事業」とは、医療的ケアや重い障害のあるお子さんを在宅で育てているご家庭を支える支援制度です。


なぜ必要なの?

重症心身障がい児とは、重い知的障害と身体障害を併せ持つ子どものことをいいます。

多くの場合、食事や排泄、入浴など生活全般に介助が必要で、保護者の負担がとても大きくなります。


この制度は、そんな家庭に対し、

一時的に子どものケアを代替して休息をとってもらう「レスパイト(休息)支援」

保護者の就労や社会参加をサポートする「就労支援」

の2つの目的で、訪問看護師や介護職員が家庭を訪問して支援を行う仕組みです。


支援の内容

ご家族の休養や就労等(就労又は就労活動)のため、利用者の自宅に訪問看護ステーションの看護師等が伺い、家族に代わって医療的ケアや療養上の介助を行います。

 1回あたり2~4時間(30分単位)

 利用は1年度の間に144時間を上限とする


具体的な支援例

 看護師による医療的ケア(吸引・経管栄養など)

 ヘルパーによる見守り・移動介助

 外出時の付き添いや通院支援

 保護者の短時間就労中の居宅支援


大田区重症心身障がい児(者)等在宅レスパイト・就労等支援事業を利用できる人

大田区内に居住する18歳未満の方で、

 重症心身障がい児(身体障害者手帳と療育手帳を両方持っている)

 医療的ケア児(気管切開、人工呼吸器使用、経管栄養など)

 難病等により常時介護が必要な児童


具体的な対象者の例

例1:経管栄養が必要な5歳の男児がいる家庭。母親の通院時に看護師が訪問してケア。

例2:難病のある中学生の女の子。母親が週2回パートに出る時間帯に見守り支援を実施。

例3:人工呼吸器を使う10歳の男児。家族の介護負担軽減のため、週1回3時間のレスパイト利用。


大田区重症心身障がい児(者)等在宅レスパイト・就労等支援事業の注意事項

①訪問できる回数や時間には上限があります

この制度は、介護保険や障害福祉サービスの補完的な支援です。そのため、長時間・高頻度の利用はできません。


②支援内容によっては事前調整が必要

 医療的ケアが必要な場合は、医師の指示書が必要です。

 看護師の配置や訪問時間は、申請後の調整が必要です。


③利用料金がかかる場合があります

基本的には無料ですが、所得や支援内容によって一部自己負担が生じることもあります。

詳細は窓口で説明されます。


大田区での制度利用の窓口

【申請窓口情報】

担当課: 大田区福祉部 障害福祉課 地域支援担当

窓口住所:東京都大田区蒲田五丁目13番14号(大田区役所本庁舎5階)

電話番号: 03-5744-1253


大田区での申請方法

ステップ①:窓口または電話で相談

まずは、障害福祉課へ電話または来庁で相談をしましょう。

お子さんの状態やご家庭の状況に合わせた提案をしてくれます。


ステップ②:必要書類の提出

申請には以下の書類が必要です。

 利用申請書

 医師の意見書(医療的ケアが必要な場合)

 障害者手帳や受給者証のコピーなど


ステップ③:訪問看護ステーションや支援事業所の調整

大田区と連携している事業者から、訪問のスケジュールや支援内容が決まります。


ステップ④:支援スタート

支援計画に沿って、訪問支援や医療的ケアが開始されます。利用後のフィードバックや継続手続きも丁寧にサポートされます。


よくある質問(Q&A)

Q. 医師の意見書はどこで書いてもらえますか?

普段通っている小児科や主治医に相談してください。制度利用のためと伝えれば、対応してくれることが多いです。


Q. 訪問看護ステーションはどこでも利用できますか?

利用できる訪問看護ステーションは事前に確認が必要です。

地域福祉課へ問い合わせて、対応可能な事業所を確認しましょう。


まとめ

重い障害や医療的ケアを抱えるお子さんの育児は、心身ともに負担が大きくなりがちです。

「大田区重症心身障がい児等在宅レスパイト・就労等支援事業」は、そんなご家庭を地域全体で支える大切な取り組みです。子どもたちが安心して自宅で暮らし、保護者が少しでもリフレッシュできる環境をつくるために、ぜひ活用してみてください。


【参考】

大田区ホームページ:重症心身障がい児(者)等在宅レスパイト・就労等支援