地域のたすけあいネットワーク(地域の手)

杉並区にお住まいの障害や難病を抱える18歳未満の児童とその保護者の方へ。「地域福祉権利擁護事業(杉並区社会福祉協議会)」の内容や対象者、申請方法をやさしく解説。難病医療費助成制度との違いも紹介。


地域福祉権利擁護事業とは

「地域福祉権利擁護事業」は、杉並区社会福祉協議会が行っている福祉サービス利用支援事業のひとつです。正式には「地域福祉権利擁護事業」と呼ばれ、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な方が、自分らしく生活を続けるための支援を行う制度です。


どんな支援が受けられるの?

 福祉サービスの利用援助(契約、申請、変更手続きなど)

 日常的な金銭管理(年金や手当の受け取り、公共料金の支払いなど)

 書類や通帳の保管支援

 専門員(生活支援員)による定期訪問と相談支援


地域福祉権利擁護事業を利用できる人

地域福祉権利擁護事業の利用対象は、以下のような方です。

 杉並区にお住まいの方

 認知症、知的障害、精神障害、または難病による身体障害などで判断能力が不十分な方

 福祉サービスの利用や金銭管理に不安がある方

 成年後見制度の利用前に、支援が必要な状況にある方


具体的な利用例

例1:難病の影響で手が不自由になり、電気・ガスの支払い手続きが難しい15歳の児童と、その高齢の祖母

例2:重度の発達障害を抱える中学生が、特別支援学校卒業後も自立した生活を目指すためにサービス契約の支援が必要

例3:保護者が精神疾患を抱え、未成年の子の手当や支援金の管理が不安定になっている家庭以下のいずれかの状態であること


地域福祉権利擁護事業の注意事項

① 成年後見制度とは別制度です

地域福祉権利擁護事業は、あくまでも地域での自立生活を支える支援です。法律上の代理権を持つ成年後見制度とは異なり、本人の意思を尊重しながら、生活に必要な支援を行うことが特徴です。


② サービスは有料(利用料あり)

月額利用料は1,000円~数千円程度(支援内容により異なる)で設定されています。生活保護受給世帯などの場合は減免制度がありますので、申請時に確認しましょう。


③ 財産管理や契約代行は対象外

預貯金の運用や投資、借金の返済などの法律行為には関われないことになっています。あくまで日常生活に密接した支援が対象です。

杉並区での制度利用の窓口

申請や利用相談は、杉並区社会福祉協議会 地域福祉係が窓口です。

【申請窓口情報】

名称:杉並区社会福祉協議会 地域福祉権利擁護事業担当

電話番号:03-5347-1015(平日9:00~17:00)

所在地:杉並区成田東4-36-13(ケア24杉並併設)


不安なことがあれば、まずは無料相談からのスタートも可能です。

杉並区での申請方法

ステップ①:電話で相談・予約

まずは、上記の窓口に電話で相談予約を行いましょう。お子さんの状態や家庭の状況を伝えると、担当者が丁寧に対応してくれます。


ステップ②:面談・状況確認

福祉協議会の専門員が、利用希望者の自宅や施設などを訪問し、生活状況や支援が必要な内容を確認します。


ステップ③:支援計画の作成

利用者本人と保護者の意見をもとに、どのような支援が必要かを一緒に考え、計画書を作成します。


ステップ④:契約・支援スタート

契約を結び、生活支援員による支援がスタートします。通帳管理やサービス利用の手続きなど、状況に応じたサポートが行われます。


よくある質問(Q&A)

Q. 「難病医療費助成制度」との違いは?

「難病医療費助成制度」は医療費の助成を目的としていますが、「地域福祉権利擁護事業」は日常生活や金銭管理を支援する制度です。併用可能なので、両方の制度を活用して支援を強化できます。


Q. 子どもが未成年でも利用できますか?

はい、18歳未満でも判断能力に不安がある場合は利用可能です。特に重度の知的障害や発達障害、難病による認知機能低下がある場合は対象となります。


まとめ

障害や難病を抱えるお子さんの将来を考えたとき、「自分がいなくなったらどうしよう」と不安に思う保護者の方も多いでしょう。地域福祉権利擁護事業は、本人の意思を尊重しながら、安心できる暮らしを支えてくれる制度です。

まずは気軽に相談して、お子さんの未来の備えとして活用を検討してみてください。


【参考】

杉並区ホームページ:地域福祉権利擁護事業(杉並区社会福祉協議会)

東京都福祉保健局:地域福祉権利擁護事業