居宅訪問型児童発達支援

難病や障害のある13〜18歳児のご家族へ。

「居宅訪問型児童発達支援」は、通所が難しいお子さまのご家庭を訪問して発達支援を行う制度です。制度の概要から申請方法までわかりやすく解説します。


居宅訪問型児童発達支援とは

「居宅訪問型児童発達支援」は、通所施設に行くことが困難な障害や難病を持つ13〜18歳の子どもに対し、専門スタッフが自宅に訪問して発達支援を行う制度です。

たとえば、

  • 医療的ケアが必要で外出がむずかしい
  • 重度の障害があって移動手段が確保できない

といったケースのご家庭にとって、この制度は大きな支えとなります。


制度の目的

● 生活能力の向上: 調理・買い物・金銭管理など、日常生活に必要なスキルを習得。

● 社会参加の促進: 地域活動やボランティアを通じて、社会との関わりを深める。

● 職業準備訓練: 作業療法を活用し、将来の就労に向けたスキルを学ぶ。

● 進路相談・支援: 高校進学や就労に向けた計画を立て、適切なサポートを提供。


支援内容

13~18歳では、以下のような支援が提供されます。

● 生活能力の向上: 調理・買い物・金銭管理など、日常生活に必要なスキルを習得。

● 学習・進路支援: 高校進学や就労に向けた学習サポートを提供。

● 職業準備訓練: 作業療法を活用し、簡単な仕事のスキルを学ぶ。

● 社会参加の促進: 地域活動やボランティアを通じて、社会との関わりを深める。

● 医療的ケアの提供: 必要に応じて看護師が訪問し、健康管理をサポート。


居宅訪問型児童発達支援を利用できる人

13歳~18歳未満の児童(中高生)で以下のいずれかに当てはまる方

  • 医療的ケアが必要な児童(人工呼吸器の装着など)
  • 重度の障害を持つ児童(身体障害者手帳1級・2級相当)
  • 強度行動障害がある児童(集団生活が困難)
  • 重い疾患を持つ児童(感染リスクが高く通所が難しい)

たとえば、人工呼吸器を使用している15歳の男の子、知的障害のある17歳の女の子の進路相談など、実際に利用している例もあります。


12歳以下のお子様と異なる支援内容とは?

12歳以下の児童は遊びを通じた発達支援、感覚統合療法、学習支援が中心となり、

13~18歳未満の児童では、調理・買い物・金銭管理などの生活スキル訓練、職業準備訓練、進路相談などが主な支援内容となります。

また、中高生の時期は、進学や就労準備の支援が重要です。


居宅訪問型児童発達支援の注意事項

支援制度の利用について、注意しておきたい点を解説します。

  • 金銭管理の指導: 将来の生活に向けて、基本的な金銭管理のスキルを学ぶ。
  • 職業準備訓練の適切な実施: 児童の能力に応じた職業訓練を行い、無理のない範囲で進める。
  • 医療的ケアの確認: 訪問支援員が児童の健康状態を把握し、必要に応じて医療機関と連携する。
  • 保護者の役割: 支援員と協力し、家庭内での発達支援や進学、就労準備を行う。


こんなケースでは対象外になる可能性も

  • 保護者の支援が十分にある場合
  • 医療機関への通院は可能である程度の移動ができると判断された場合

利用を希望しても、自治体が「居宅訪問型ではなく通所可能」と判断することがあります。


制度利用の問い合わせ先

申請・相談はお住まいの市区町村の障害福祉課または子ども家庭支援課が窓口となります。

どの自治体でも、事前に電話での予約相談を受け付けているケースが多く、親切に対応してくれます。


居宅訪問型児童発達支援の申請方法

  1. 市区町村に相談(福祉課)
    お住まいの自治体の障害福祉課や相談支援事業所に相談し、申請を行います。必要に応じて聞き取り調査が実施されます。

  2. 害児支援利用計画案の作成
    相談支援事業所に依頼して「障害児支援利用計画案」を作成してもらいます。保護者が自分で作成することも可能です(セルフプラン)。

  3. 支給決定
    自治体が申請内容を審査し、サービスの支給量などを決定します。決定後、「福祉サービス受給者証」が交付されます。

  4. サービス提供事業者を決定
    相談支援事業所がサービス提供事業所と連携し、計画を作成します。利用する事業所を選択し、契約を行います。

  5. 居宅訪問型児童発達支援スタート!
    計画に基づき、居宅訪問型児童発達支援のサービスが開始されます。定期的にサービスの見直し(モニタリング)が行われます。


申請時のポイント

  • 対象児童の確認:医療的ケアが必要な場合や、外出が困難な障害児が対象となります。自治体によって条件が異なるため、事前に確認しましょう。
  • 支援内容の理解:訪問支援員(保育士・看護師・理学療法士など)が提供する支援内容を把握し、子どもの発達に適したサービスを選びます。
  • 費用負担の確認:原則として利用料の1割を負担しますが、所得に応じた上限が設定されており、低所得世帯は無料となる場合があります。


まとめ

「居宅訪問型児童発達支援」は、通所が困難な13~18歳未満では、自立支援や職業準備を重視し、生活スキル習得・進路相談・社会参加の促進を行います。訪問支援員と保護者が連携し、児童が安心して未来に向かえる環境を整えることが重要です。


【参考】