毎日、難病のお子さんのケアに追われているご家族の方へ。

「少しでいいから一人になりたい」「深呼吸する時間がほしい」と思ったことはありませんか?

2025/9/25公開

2026/02/16

毎日、お子さんのケアに追われているお母さんへ。

難病や医療的ケアが必要なお子さんの毎日は、24時間体制のサポートが続き、自分のことは後回しになりがちです。

でも、ご家族自身が元気でいることが、お子さんにとって何よりの支えになります。


このコラムでは、障がいのあるお子さんを育てるご家族に向けて、

・ レスパイトケア(ひと休み支援)の基本

・ 実際に使える制度やサービス

・ 家族でできるサポート

について、日常にすぐ役立つヒントを交えながらまとめました。



コーヒー

1. レスパイトケアって何?


レスパイトとは、日常的に介護や看護をしているご家族が、短時間・短期間だけケアを代わりにしてもらう支援制度です。

「レスパイト(respite)」とは、英語で「ひと休み」を意味し、ほんの数時間でも自由になる時間をつくることが目的です。

たとえば、


  • 自分の病院に行きたい
  • 昼寝や休憩を取りたい
  • 上の子の学校行事に出たい
  • 気持ちが疲れてしまっている


そんなときに「レスパイトケアで一息入れる」ことで、心と体の余裕を取り戻すことができます。 


2. レスパイトケアの利用方法と選択肢

以下は、無理なく取り入れやすいレスパイト支援の代表例です。


2-1)一時預かり保育(デイ型)

自治体が実施する、数時間〜1日程度の預かりサービス。

医療的ケアの必要な子どもを受け入れるケースもあります。

→ 利用条件や内容は自治体ごとに異なるため、地域の福祉課や保健センター窓口に相談するのがおすすめです。


▼参考リンク:

・医療的ケアを必要とする小児慢性特定疾病児童等の一時預かり事業(鳥取県)

https://www.pref.tottori.lg.jp/286399.htm

・重症心身障害児(者)在宅レスパイト支援事業(東京都 江東区)

https://www.city.koto.lg.jp/222030/fukushi/shogaisha/service/nichijo/resupait.html

・重症心身障害児(者)及び医療的ケア児在宅レスパイト事業(東京都 府中市)

https://www.city.fuchu.tokyo.jp/kenko/shogai/shogainoarukata/jyushinrespite.html


2-2)自治体のショートステイ(宿泊型)

数日〜数週間、お子さんを施設で預かる制度。

家族のリフレッシュや冠婚葬祭などの用事にも活用できます。


▼参考リンク:

短期の宿泊(とうきょう福祉ナビゲーション)

https://www.fukunavi.or.jp/fukunavi/eip/0302chiteki/service/02seikatuenjyo/02_02s_tanki.html#p01

神奈川県メディカルショートステイ事業(神奈川県)

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/yv4/med-shortstay/2023med-shortstay.html

日帰りショートステイ(地域生活支援事業)(東京都杉並区)

https://www.city.suginami.tokyo.jp/s036/8086.html


2-3)ファミリー・サポート・センター

地域の協力会員が送迎や預かりをサポートする制度です。

自治体の窓口で登録が必要な場合があります。


2-4)民間・NPOのレスパイト支援

自治体だけでなく、地域の民間団体・NPOが柔軟な支援を提供している場合もあります。

まずは福祉課や保健所に相談して、地域のサービス情報を聞くとよいでしょう。


▼参考リンク:

難病の子どもと家族を支える拠点ネットワーク(日本財団)

https://nf-nanbyoujishien.com/network/


2-5)訪問型サポート

訪問看護や自宅でのケア支援を利用して、自宅で安心して休息時間を作る方法もあります。

看護師やケアスタッフが家に来てくれるため、外出が難しいご家庭にもおすすめです。


▼参考リンク:

医療的なケアが必要な児・者とご家族のための相談窓口・各種レスパイト事業のご案内(福岡県)

https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/syounizaitakushien.html


3. 家族や周囲のサポートも力になる

レスパイトケア制度だけでなく、家庭内でできる支え合いも大きな力になります。

たとえば:


  • 夫婦でケアや家事を分担する
  • きょうだいがいる場合は時間を交代で作る
  • 祖父母や親しい友人に手伝ってもらう


「少しだけ助けてもらう・一緒にやる」という選択が、結果として心身の負担を軽くすることにつながります。 


ひとやすみ

4. 実際に活用している方の声

レスパイトや家族支援を実際に経験した方の声の記事を紹介します。

※体験談は地域や制度によって内容が異なるため、公式窓口で最新情報を確認してください。


🔗知的障害息子「親なきあと」に備えた自立準備。中学からのレスパイト利用、ショートステイ…わが家の場合【読者体験談】(2024/07/12)(LITALICO発達ナビ)


🌿「DIPExJapan」には、さまざまな体験談を紹介されています。

① 子どもと離れる時間を持つ

🔗娘と離れる時間を作るよう勧められ、日中一時預かりを利用し始めた。自分は新たな趣味を見つけ、娘も友達との時間が楽しそうだ

→ 一時預かりを利用したお母さまの体験談

② 制度は自分から情報を取りにいく

🔗訪問看護師から制度について教えてもらったり、病院のパンフレットに目を通して市役所の担当者に質問したりするように心がけていた

→ 訪問看護師との関わりについてのお話

③ 夫婦での役割分担

🔗夫は入院付添いにストレスを強く感じるようなので私が付添いし、夫は家でお姉ちゃんの面倒を見るという夫婦の分担になった

→ 夫婦での育児分担の葛藤について

④ 社会構造と夫婦の負担

🔗夫婦の負担の差に不満もあるが、日本の社会構造の問題だと思う。夫も社会も少しずつ変わり、今は任せられることも多くなった

→ 家事分担を社会的視点から語る体験談

⑤ 祖父母の支え

🔗私の母は孫のケア、日常の家事も含め一番の応援団だ。祖母として常に愛情深く接してくれ私たち親子にとって心のよりどころだ

→ 家族での役割分担の実例

⑥ 完璧を求めすぎない

🔗教員で平日も土日も夜しか家にいられず、家では疲れて寝てしまうことも。夫婦ともケアに完璧を求めすぎずにいようと思っている

→ 肩の力を抜いた子育ての工夫

⑦ 児童発達支援の利用

🔗児童発達支援施設に子どもを預けるようになり、気を張って生活していたことに気付き、自分をいたわることも大事だと思った

→ 支援利用で心の余裕を持てた体験

⑧ 初めての自由時間

療育を利用し、子どもと離れる自分の自由時間が初めてできたとき、近所のスーパー銭湯に行ったことは忘れられない

→ 勇気を出して一歩踏み出した体験談

5.よくある質問(FAQ)|レスパイトケアと家族の支援について

ここまで紹介した内容について、多くのご家族が感じやすいことをQ&A形式で整理しました。

Q1. レスパイトケアは施設を使わないといけませんか?

A.

いいえ。レスパイトケアは、施設を利用する形だけではありません。

家族や親族、身近な人に少し見守りをお願いして、その間にお母さんがお茶を飲む・外に出る・深呼吸する――それも立派なレスパイトです。


「大がかりな支援を使わないと休めない」と思わなくて大丈夫です。

日常の中でできる、小さなひと休みも大切な支援です。

Q2. 家族に頼ると「迷惑をかけている」と感じてしまいます。

A.

多くの介護する家族、とくにお母さんが同じ気持ちを抱えています。

でも、家族に少し頼ることは「弱さ」ではなく、長くケアを続けるための工夫です。


「30分だけお願いして外に出る」

「見ていてもらって温かいお茶を飲む」

その小さな時間が、心と体を守ってくれます。


Q3. 短時間の外出や休憩を取るかどうか、どう考えたらいいですか?

A.

短時間の外出や休憩が助けになるかどうかは、人それぞれです。

数分でも気持ちが軽くなる方もいれば、外出が負担に感じることもあります。


大切なのは、「休まなければならない」と決めつけず、

今の自分に無理がないかどうかを基準にすることです。

お茶を一杯飲むだけでも、今日は見送る選択でも、どちらも間違いではありません。

Q4. 家族以外に頼れるレスパイト支援はありますか?

A.

あります。自治体やNPOによるレスパイト支援、訪問型サポートなど、地域ごとに選択肢があります。

「家族に頼れない=休めない」ではありません。


まずは市区町村の福祉課や保健センターに相談すると、

自宅で使えるレスパイトや短時間支援を教えてもらえることがあります。


▼参考リンク:

子育てと要介護認定を受けた親の介護のダブルケアを経験(とちけあ)

https://tochicare.pref.tochigi.lg.jp/about/story.html

知的障害息子「親なきあと」に備えた自立準備。中学からのレスパイト利用、ショートステイ…わが家の場合【読者体験談】(2024/7/12)(LITALICO発達ナビ)

https://h-navi.jp/column/article/35030184

難病の子どもと家族を支える拠点ネットワーク(日本財団)

https://nf-nanbyoujishien.com/network/

6. まとめ:ひと休みは勇気ある選択

難病のお子さんを育てる毎日は、本当に大変です。

「ひと休みする時間を自分に許してもいいのかな」と感じるかもしれません。

でも、自分自身を大切にすることは、子どもにも優しく接する大きな力になります。

レスパイトケアや地域制度をうまく活用して、少しずつ心と体の余裕を取り戻していきましょう。


▼参考リンク:

障害福祉サービス等(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/index_00001.html

難病の子どもと家族を支える拠点ネットワーク(日本財団)

https://nf-nanbyoujishien.com/network/

※各自治体の制度はサービス内容・条件が異なります。公式窓口で確認してください。

6. まとめ:ひと休みは勇気ある選択

看護師などが訪問して自宅での医療ケアや生活支援を提供するサービス「訪問看護」について詳しく紹介しているページになります。

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