四日市羽津医療センター
山本 隆行(やまもと たかゆき)先生
1989年 三重大学医学部 卒業 /三重大学医学部 第二外科入局
1997年~1998年 英国バーミンガム大学クィーン エリザベス病院外科 (Keighley教授)にて、リサーチフェローとしてIBD外科治療について臨床研究
2001年 四日市社会保険病院 (現四日市羽津医療センター)勤務
2005年~2006年 米国オハイオ州クリーブランド クリニック (Fazio教授)大腸外科にて、リサーチフェローとして臨床研究
2018年 四日市羽津医療センター 主任外科部長 兼 IBDセンター長
2022年 同 副院長 兼 IBDセンター長
2024年 同 院長 兼 IBDセンター長
□日本外科学会 専門医・指導医
□日本消化器外科学会 専門医・指導医
□日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
□日本消化器病学会 専門医・指導医
□日本大腸肛門病学会 専門医・指導医
□三重大学医学部 臨床教授
A:IBDは「炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease)」の略で、原因不明の腸炎を指します。主にクローン病と潰瘍性大腸炎の2つの疾患が含まれます。自己免疫の異常が関与していると考えられており、遺伝的な要因に加えて、生活スタイルなどの後天的な要素や、腸内細菌のバランスの乱れなど、さまざまな要因が関係していると推察されていますが、はっきりとした原因はまだわかっていません。この2つの病気はよく似ていますが、いくつかの違いがあります。クローン病は、口から肛門までの消化管のどこにでも炎症が起こる可能性がある病気で、病変が飛び飛び(非連続)に現れるのが特徴です。特に回盲部(盲腸の近く)にできることが多く、肛門周囲に痔瘻などの病変が起きやすいとされています。一方、潰瘍性大腸炎は、原則、大腸のみに炎症が起こる病気で、通常直腸から始まり、連続的に炎症が広がっていきます。病状が進行すると、大腸の半分が侵されたり、全体に広がったりすることもあります。
A:IBDの診断は簡単ではありません。現時点では、「この検査をすれば100%診断できる」という方法はありません。まずは問診が重要で、これまでの生活習慣や症状の経過、ご家族に同じような病気の方がいないかなどを詳しくお伺いします。そのうえで、血液検査によって炎症の有無や貧血、栄養状態などを確認し、便検査では腸ない細菌や腸の炎症の指標となる物質を調べることがあります。さらに、内視鏡検査(カメラ)で腸の粘膜の状態を観察し、組織を採取して顕微鏡で調べます(生検)。加えて、CTやMRI、小腸造影などの画像検査により、病変の範囲や重症度などを評価します。
これらの検査結果を総合的に判断して診断を行います......
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