難病受給者証

2026/2/10 公開

1. 難病受給者証とは

難病受給者証とは、指定難病と診断された方が、医療費の自己負担を軽減するために利用できる公的な医療費助成制度の証明書です。

難病受給者証(正式名称:指定難病医療費受給者証)を利用することで、長期にわたる治療にかかる医療費の負担を抑えることができます。


難病は、原因が分からない、治療方法が確立していない、または治療が長期間に及ぶといった特徴があり、患者さん本人だけでなく、ご家族にとっても生活や将来への不安が大きくなりがちです。
難病受給者証は、そうした状況の中で、安心して治療を継続できるよう設けられている公的な医療費助成制度の一つです。


この制度を利用することで、指定された医療機関での治療費について、自己負担額が軽減される場合があります。


難病受給者証で受けられる支援内容

難病受給者証を取得すると、指定難病に関する医療費の一部が公費で助成されます。

対象となるのは、指定難病の治療に直接関係する医療行為で、外来診療、入院、検査、投薬、訪問診療などが含まれるのが一般的です。


助成を受けることで、医療機関や薬局の窓口で支払う自己負担額が軽減されます。自己負担の上限額は、世帯の所得状況や病状の重症度などをもとに設定されるため、同じ病気であっても人によって負担額は異なります。


なお、難病受給者証は指定された医療機関・薬局で利用することが前提となるため、受給者証が交付された後は、対応医療機関についても確認しておくことが大切です。


2. 難病受給者証の対象者

難病受給者証の対象者となるのは、国が定める「指定難病」に該当する疾病と診断された方です。

対象者かどうかを判断する際には、病名だけでなく、症状の程度(重症度)が重要な判断基準となります。

この重症度は、主治医が作成する「臨床調査個人票(診断書)」をもとに審査されます。


また、症状が比較的軽い場合でも、医療費が高額になるケースでは助成対象となることがあります。

「重症ではないから対象外」と自己判断せず、まずは主治医や自治体の窓口に相談することが重要です。



3. 難病受給者証の申請・更新・自己負担について

難病受給者証の申請方法と必要書類の概要

難病受給者証の申請方法は、お住まいの自治体の窓口で行います。

一般的に必要とされる書類は以下のとおりです。

  • 申請書
  • 主治医が作成した診断書(臨床調査個人票)
  • 健康保険証の写し
  • 世帯の所得状況が分かる書類


必要書類は自治体によって異なる場合がありますので、事前に確認しておくと安心です。


どこで申請する?申請先と相談窓口

難病受給者証の申請は、お住まいの地域を管轄する自治体の窓口で行います。

具体的には、以下のような窓口が申請先となることが一般的です。

  • 市区町村役場の担当課
  • 保健所(政令指定都市・中核市などの場合)


申請窓口は自治体によって異なるため、

「難病受給者証 申請 ○○市(お住まいの自治体名)」などで検索するか、市区町村の公式サイトを確認するとスムーズです。


また、申請にあたって不安がある場合は、自治体窓口のほか、主治医や医療機関の医療ソーシャルワーカーに相談することもできます。


難病受給者証の申請から交付までの一般的な流れ

申請から受給者証の交付までの流れは、概ね以下のようになります。


1. 主治医に相談し、診断書(臨床調査個人票)を作成してもらう

2. 必要書類をそろえ、自治体の窓口へ申請

3. 自治体による書類審査

4. 審査結果の通知

5. 難病受給者証の交付


審査期間は自治体によって異なりますが、数週間から数か月程度かかる場合が一般的です。

特に申請が集中しやすい時期や、書類に不備があった場合は、さらに時間を要することがあります。


申請中の医療費の取り扱いに関する注意点

申請を行ってから受給者証が交付されるまでの間も、治療は継続して行われます。

この期間の医療費については、申請日以降の分が後から助成対象となる場合がありますが、具体的な取り扱いは自治体ごとに異なります。


そのため、申請後から交付までの間は、

  • 医療費の領収書を必ず保管しておく
  • 医療機関や自治体に、遡及適用の有無を確認しておく

といった点が重要です。


難病受給者証の自己負担額・更新手続きのポイント

難病受給者証には有効期限があり、原則として毎年更新手続きが必要です。

これは、病状や生活状況の変化に応じて、支援内容を適切に見直すために設けられています。

更新の際には、主治医が作成する診断書など、改めて書類の提出が求められることがあります。


また、難病受給者証を利用した場合の自己負担額は一律ではなく、世帯の所得状況や病状の重症度などをもとに区分されます。

そのため、同じ指定難病であっても、自己負担額が異なる場合があります。


自己負担額や更新方法の詳細は、世帯状況や自治体の運用によって異なるため、有効期限が近づいたら早めに自治体からの案内を確認し、
必要に応じて主治医や窓口へ相談することが大切です。


4. よくある質問(Q&A)

Q. 難病受給者証はいつから使えますか?

A. 原則として、自治体による審査を経て受給者証が交付された後から利用できます。
 ただし、申請日以降の医療費が後から助成対象となる場合もあるため、詳細は自治体にご確認ください。


Q. 子どもでも利用できますか?

A. 小児の場合でも、条件を満たせば申請が可能です。他の医療費助成制度と併用できる場合もあります。


Q. 引っ越した場合はどうなりますか?

A. 転居先の自治体で改めて手続きが必要になることがあります。


まとめ

難病受給者証は、指定難病と診断された方が、長期にわたる治療を安心して継続できるよう、
医療費の自己負担を軽減するために設けられた公的な医療費助成制度です。
外来診療や入院、検査、投薬など、指定難病の治療に直接関係する医療費について、公費による助成を受けられる場合があります。


対象となるかどうかは病名だけでなく、症状の程度(重症度)や医療費の状況などをもとに判断されます。
症状が比較的軽い場合でも、医療費が高額になるケースでは助成対象となることがあるため、自己判断せず主治医や自治体に相談することが大切です。


申請はお住まいの自治体の窓口で行い、主治医が作成する診断書(臨床調査個人票)などの提出が必要となります。
受給者証には有効期限があり、原則として毎年更新が必要です。
制度の詳細や運用は自治体ごとに異なるため、早めに情報を確認し、利用できる支援を適切につなげていきましょう。


※制度の詳細や運用は自治体ごとに異なります。最新情報については、お住まいの自治体や主治医に必ずご確認ください。


【参考文献】

指定難病患者への医療費助成制度のご案内|厚生労働省