病気とともに生きるということ――アラジール症候群の娘と歩む日々
「1人目の子だったし、黄疸はよくあるものだと思っていたんです」そんなお母さんの言葉から始まった、長く、そして希望に満ちた道のり。診断名は「アラジール症候群」――
聞き慣れないこの病名と向き合いながら、お子さんは現在高校3年生に。日常にはまだ医療とのつながりが必要ですが、家族と支援者、そして仲間との絆に支えられながら、「ふつうの毎日」を積み重ねています。
今回は、お母さんに「診断までの道のり」「移植」「その後の生活と成長」「不安のなかで感じた希望」について、お話を伺いました。
生まれた翌日、お子さんの体に黄疸と心雑音が現れました。医師からは「新生児によくある黄疸かもしれません」と説明され、心配はあまりしていなかったと言います。
「1人目の子どもだったし、黄疸が出る子も多いって聞くし…。深く考えてなかったですね。肌の色が黒っぽいのも“こういう肌なのかな”って。」
ですが、黄疸はなかなか消えず、便の色も薄い黄色で、白っぽくはないけど違和感があったそうです。
病院側も少しずつ肝疾患を疑い始め、生後3〜4日目には県のこども病院へ転院。外来で複数の検査を重ねましたが、胆道閉鎖ではないことが確認され、診断はつかないままでした。
生後2か月のころ、さらに別の大きな病院で検査を受けたところ、肝内胆管の分布が少ないことが分かり、「アラジール症候群の可能性」が初めて伝えられました。その後、生後3か月で、アラジール症候群の専門医がいる病院を紹介され、そこでの診察をきっかけに、複数の所見が揃っていったのです。
• 虹彩に後部胎生遺残(目の異常だが視力には問題なし)
• 肺動脈狭窄
• 背骨の形態異常
これらが合致し、生後3か月でアラジール症候群の確定診断がつきました。
「ちょこちょこ入院しては、外来に通って…ずっと落ち着かない時期でしたね。」......
☆本記事は、日本アラジール症候群の会のご紹介・ご協力のもとに作成しました。
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