アラジール症候群・ 進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC) 広場
 

コンテンツ

 
お知らせ
 
2025.10.09
かんしん広場にて、「PFICに対するフェニル酪酸ナトリウムの承認を申請」の記事を掲載いたしました。

2025.10.07 
アラジール症候群 体験談インタビュー➀を掲載しました。

2025.09.12 
アラジール症候群・進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)広場を開設いたしました。


2025.07.30
かんしん広場にて、「アラジール症候群/PFICに初の治療薬」の記事を掲載いたしました。
疾患情報(アラジール症候群)
アラジール症候群は、肝臓や心臓、目、骨、顔の形成など、複数の臓器や組織に異常が現れる先天性の遺伝性疾患です。特に、肝臓では胆汁を流す「胆管」の数が生まれつき少なく、これにより胆汁の流れが悪くなる(胆汁うっ滞)ことで、黄疸やかゆみ、脂肪の吸収不良などの症状が現れます。 アラジール症候群は、およそ3万人に1人程度の割合で発症するとされ、日本でも稀な病気です。患者さんの中には症状が軽く、診断がつかないまま成人する人もいれば、重い肝障害や心疾患を伴って早期に医療的な介入が必要となる方もいます。 この病気の原因は、JAG1遺伝子やまれにNOTCH2遺伝子の異常によるもので、いずれも体の発生や臓器の形成に関わる「ノッチシグナル経路」という重要な仕組みに関係しています。遺伝形式は常染色体優性遺伝で、親のどちらかに遺伝子異常がある場合、子どもに50%の確率で遺伝します。ただし、新しく変異が起きて(孤発例として)発症することも多いため、家族歴がない場合でも発症することがあります。
疾患情報(進行性家族性肝内胆汁うっ滞症)
進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC:Progressive Familial Intrahepatic Cholestasis)は、肝臓の中で作られた胆汁がうまく排出されず、肝臓にたまってしまうことで慢性的な肝障害が進行していく遺伝性の病気です。主に乳児期から小児期に発症し、重症の場合は思春期を迎える前に肝硬変や肝不全に進行することがあります。 この病気は、胆汁を肝細胞から胆管へ排出する働きをもつ特定のタンパク質に異常があることで発症します。複数の型があり、それぞれ異なる遺伝子の変異が原因となっています。PFIC1ではATP8B1遺伝子、PFIC2ではABCB11遺伝子、PFIC3ではABCB4遺伝子の異常が知られており、いずれも常染色体劣性遺伝(潜性遺伝)で親から子に遺伝します。両親がそれぞれ変異遺伝子を持っている場合に、子どもが発症する可能性があります。 PFICの症状には、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)や激しいかゆみ、脂肪便、成長障害、肝臓や脾臓の腫れなどがあります。特にかゆみは強く、夜眠れないほどになることもあり、生活の質に大きな影響を与えます。

原因と治療(アラジール症候群)

現時点で根本的な治療法はなく、症状に応じた対症療法が中心となります。たとえば、胆汁うっ滞に対しては薬物治療や栄養管理が行われ、重度の肝障害がある場合は肝移植が検討されることもあります。心疾患に対しては外科的治療が必要となることもあります。

病気の程度は人によって大きく異なり、軽症で日常生活をほぼ問題なく送れる方もいれば、重症で医療的なサポートが長期的に必要となる方もいます。そのため、アラジール症候群と診断された場合には、小児科、消化器科、循環器科、眼科、遺伝科など多職種による包括的な医療体制が重要です。

原因と治療(進行性家族性肝内胆汁うっ滞症)

治療としては、まず胆汁の流れを促進する薬や、かゆみを抑える薬が使われます。また、脂溶性ビタミンの補給や栄養管理も重要です。
重症例では、胆汁を体外に逃がす外科手術(胆汁分流術)や、肝移植が必要になることもあります。

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症は国の指定難病に指定されており、医療費助成などの支援を受けられる場合があります。
近年では、PFICの原因となるタンパク質の働きを補う新しい治療薬の開発も進んでおり、今後の治療の選択肢が広がることが期待されています。

症状(アラジール症候群)

肝臓
胆汁うっ滞 → 黄疸、かゆみ、脂肪便、成長不良 胆管の形成異常により、慢性的な肝障害や肝硬変へ進行することも
心臓
先天性心疾患 (肺動脈弁狭窄が最も多い) 他には心室中隔欠損やファロー四徴症なども
顔貌
とがった顎(尖ったあご) 深い眼窩(目がくぼんで見える) 高い額 鼻梁の狭さ
後部乳頭小窩(目の視神経乳頭の形成異常) 視力にはあまり影響しないことが多い

症状(進行性家族性肝内胆汁うっ滞症)

肝臓
胆汁うっ滞→黄疸、かゆみ、 肝臓や脾臓が腫れてお腹が張る ・肝硬変・肝不全 重症例では思春期以前に進行することも
皮膚・神経
・皮膚掻破(かきこわし) かゆみによる引っかき傷、色素沈着、皮膚の肥厚など ・不機嫌・睡眠障害 特に乳幼児では、かゆみにより夜間に不眠や不快感が強く出る
消化・栄養
・脂肪便 白色、臭い強く、油が浮く便 ・脂溶性ビタミン(A, D, E, K)欠乏 骨の発育不良、視力障害、出血傾向など ・成長障害・発育不良 栄養吸収不良や慢性炎症影響
血液・骨
・出血傾向 ビタミンK欠乏による凝固因子の低下 ・骨の弱さ(くる病、骨粗しょう症) ビタミンD欠乏による骨代謝異常

病気に関する掲載情報

遺伝性疾患プラス疾患情報や診療が可能な医療機関の情報が掲載されています

インタビュー

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