2025.04.01
低ホスファターゼ症広場を開設いたしました。
低ホスファターゼ症は、発症年齢や重症度によって症状が異なります。主に以下のようなタイプに分類されます。
・胎内での骨の発育不全
・生まれた時からの重度の骨の変形や低石灰化
・呼吸障害(胸郭が狭く肺が十分に広がらない)、けいれん
☆命に関わることが多い。
・骨の弱さ、骨折
・頭蓋骨の間が広く開いたり、あるいは骨の間は早く閉じやすい
・哺乳困難や体重増加不良
・呼吸トラブル(風邪が肺炎になりやすいなど)
・骨の痛みや骨折しやすさ
・成長障害(低身長)
・O脚やX脚など骨の変形
・歯の早期脱落(特に乳歯)
・骨折しやすい(特に大腿骨や足の骨)
・慢性的な骨の痛み
・筋力低下・疲れやすさ
・関節の石灰化による痛みや可動域制限
・血液検査:アルカリホスファターゼ(ALP)値が低いことが特徴(一般的には高い方が病的なため、見逃されやすい)
・尿検査:ピリドキサール-5-リン酸(PLP)などの代謝産物の上昇
・X線検査:骨の石灰化不良や変形の確認
・遺伝子検査:ALPL遺伝子の変異を確認
以前は対症療法が中心でしたが、現在は原因に対する治療薬が利用可能です
〇酵素補充療法(商品名:ストレンジック®)
・人工的に作られたTNSALP酵素を体内に補う治療
・皮下注射で投与
・小児や重症型での生命予後や骨の改善に大きな効果が報告されています
〇その他の治療
・骨折や変形に対する整形外科的処置
・疼痛管理(鎮痛薬、理学療法)
・栄養指導
監修:医療法人医誠会 医誠会国際総合病院/難病医療推進センター長/大薗恵一先生
・転倒や骨折を防ぐために、床や家具の安全対策
・骨に負担をかけない適切な運動や体位保持
・長時間の立位や運動制限への理解
・必要に応じた車椅子・歩行補助具の利用
・疲れやすさ・痛みへの配慮
・定期的な歯科受診で、歯の状態や脱落の予防
・早期に歯科型が見つかることで、全身型を見逃さずに済む場合も
・小児科・整形外科・歯科・遺伝外来など多職種チームでの診療
・定期的な検査と成長モニタリング
低ホスファターゼ症は、ごくまれで多様な症状を持つ病気ですが、早期発見と適切な治療、そして周囲の理解と支援により、生活の質を大きく高めることが可能です。
特に最近では、酵素補充療法の導入により、治療の選択肢が広がり、将来への希望も大きくなっています。
身近な方の中に、「歯が早く抜けた」「骨が弱い」といった症状がある場合は、この病気を知っておくことで、適切な対応につながるかもしれません。
あるいは、健診などで血液中のアルカリホスファターゼの値が低いことが診断のきっかけになることもあります。
監修:医療法人医誠会 医誠会国際総合病院/難病医療推進センター長/大薗恵一先生
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