低ホスファターゼ症 広場
 

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お知らせ
 
2025.12.12
低ホスファターゼ症の症状や診断・治療、日常生活の注意点について、医療法人医誠会 医誠会総合病院/難病医療推進センターの大薗恵一先生にご監修いただきました。
2025.10.06 
低ホスファターゼ症 体験談インタビューを掲載しました。

2025.07.15 
HPP HOPE 患者会のインタビューを掲載しました。

2025.04.01 
低ホスファターゼ症広場を開設いたしました。


2025.03.10
かんしん広場にて、「難病の医療費の申請方法」のコラムを掲載いたしました

 
こどもに関するコラム
 
“うちの子のやり方は?”――薬の飲ませ方の工夫あれこれ――
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「“学ぶ”って、わが子にとってどういうこと?――難病とともに歩む子どもの就学を考える」①はじめに(シリーズ掲載)
「“学ぶ”って、わが子にとってどういうこと?――難病とともに歩む子どもの就学を考える」幼稚園・保育園期②
「“学ぶ”って、わが子にとってどういうこと?――難病とともに歩む子どもの就学を考える」小学校・中学校期③
「“学ぶ”って、わが子にとってどういうこと?――難病とともに歩む子どもの就学を考える」④高校期(シリーズ掲載)
病気の概要
低ホスファターゼ症(HPP)は、骨や歯を作るために重要な酵素である「組織非特異的アルカリホスファターゼ(TNSALP)」の働きが、生まれつき低下している先天性の代謝性骨疾患です。 この酵素の働きが弱まることで、カルシウムやリンが骨にうまく取り込まれず、骨や歯が正常に形成されない状態になります。 遺伝性の疾患で、重症型は乳児期に命に関わることもある一方で、軽症型は成人まで診断されないこともあります。 患者数が非常に少なく、「指定難病(難病指定番号310)」にも認定されています。 監修:医療法人医誠会 医誠会国際総合病院/ 難病医療推進センター長/大薗恵一先生

主な症状

低ホスファターゼ症は、発症年齢や重症度によって症状が異なります。主に以下のようなタイプに分類されます。

周産期重症型(出生前〜新生児)

・胎内での骨の発育不全

・生まれた時からの重度の骨の変形や低石灰化

・呼吸障害(胸郭が狭く肺が十分に広がらない)、けいれん

☆命に関わることが多い。

乳児型(生後6か月以内)

・骨の弱さ、骨折

・頭蓋骨の間が広く開いたり、あるいは骨の間は早く閉じやすい

・哺乳困難や体重増加不良

・呼吸トラブル(風邪が肺炎になりやすいなど)

小児型(乳児期〜学童期)

・骨の痛みや骨折しやすさ

・成長障害(低身長)

・O脚やX脚など骨の変形

・歯の早期脱落(特に乳歯)

成人型

・骨折しやすい(特に大腿骨や足の骨)

・慢性的な骨の痛み

・筋力低下・疲れやすさ

・関節の石灰化による痛みや可動域制限

歯科型(歯型)

・明らかな骨症状はないが、乳歯が4歳未満で自然脱落する

・歯の根が短く、ぐらつきやすい

                                  監修:医療法人医誠会 医誠会国際総合病院/難病医療推進センター長/大薗恵一先生

診断と治療

診断

・血液検査:アルカリホスファターゼ(ALP)値が低いことが特徴(一般的には高い方が病的なため、見逃されやすい)

・尿検査:ピリドキサール-5-リン酸(PLP)などの代謝産物の上昇

・X線検査:骨の石灰化不良や変形の確認

・遺伝子検査:ALPL遺伝子の変異を確認

治療

以前は対症療法が中心でしたが、現在は原因に対する治療薬が利用可能です

〇酵素補充療法(商品名:ストレンジック®)

・人工的に作られたTNSALP酵素を体内に補う治療

・皮下注射で投与

・小児や重症型での生命予後や骨の改善に大きな効果が報告されています

〇その他の治療

・骨折や変形に対する整形外科的処置

・疼痛管理(鎮痛薬、理学療法)

・栄養指導


                                  監修:医療法人医誠会 医誠会国際総合病院/難病医療推進センター長/大薗恵一先生

日常生活での注意点

生活環境の工夫

・転倒や骨折を防ぐために、床や家具の安全対策

・骨に負担をかけない適切な運動や体位保持

学校・職場での配慮

・長時間の立位や運動制限への理解

・必要に応じた車椅子・歩行補助具の利用

・疲れやすさ・痛みへの配慮

歯科的サポート

・定期的な歯科受診で、歯の状態や脱落の予防

・早期に歯科型が見つかることで、全身型を見逃さずに済む場合も

医療との連携

・小児科・整形外科・歯科・遺伝外来など多職種チームでの診療

・定期的な検査と成長モニタリング

心理的・社会的支援

・長期にわたる治療や生活の不安に対して、心理士やソーシャルワーカーの関与

・患者会やピアサポートの活用も有効です


                                  監修:医療法人医誠会 医誠会国際総合病院/難病医療推進センター長/大薗恵一先生

まとめ

低ホスファターゼ症は、ごくまれで多様な症状を持つ病気ですが、早期発見と適切な治療、そして周囲の理解と支援により、生活の質を大きく高めることが可能です。

特に最近では、酵素補充療法の導入により、治療の選択肢が広がり、将来への希望も大きくなっています。

身近な方の中に、「歯が早く抜けた」「骨が弱い」といった症状がある場合は、この病気を知っておくことで、適切な対応につながるかもしれません。
あるいは、健診などで血液中のアルカリホスファターゼの値が低いことが診断のきっかけになることもあります。


                                  監修:医療法人医誠会 医誠会国際総合病院/難病医療推進センター長/大薗恵一先生

病気に関する掲載情報

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日本小児科学会低ホスファターゼ症に関する疾患情報が掲載されています
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HPP HOPE低ホスファターゼ症の患者会のホームページです

インタビュー

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