
北岡 太一 先生
2000年 3月 弘前大学医学部卒業
2000年 4月 大阪大学小児科学教室入局
2001年 6月 箕面市立病院小児科医員
2004年 10月 大阪大学医学部附属病院小児科医員
2010年 10月 大阪大学大学院医学系研究科エコチル大阪ユニットセンター特任助教
2011年 3月 大阪大学大学院医学系研究科博士(医学)取得
2012年 5月 大阪大学大学院医学系研究科小児科学特任助教
2015年 10月 大阪大学大学院医学系研究科小児科学助教
2020年 10月 大阪大学大学院医学系研究科小児科学助教〔学部内講師〕
2023年 9月 医誠会病院小児科部長
2023年 10月 医誠会国際総合病院小児科部長
一人ひとりの人生に寄り添う医療とは
― 医誠会 北岡先生に聞く、骨・腎臓疾患と向き合う日常 ―
日本患者支援財団では、医誠会にて小児の腎臓疾患や骨疾患を中心に、長期にわたり患者さんと向き合い続けている北岡先生にお話を伺いました。
慢性疾患や希少疾患は、単に「治療する」だけではなく、日々の生活や成長、そして将来の生き方にも深く関わっていきます。
特に子どもの場合は、年齢や環境の変化とともに悩みや課題も移り変わり、その時々に応じた支えが求められます。
その中で、医療者はどのように関わり、どのように患者さんやご家族を支えていくべきなのでしょうか。
北岡先生は、「答えを提示する」のではなく、「ともに考え、納得できる選択を支えること」を大切にしながら診療にあたっています。
本インタビューでは、骨や腎臓の疾患と向き合う日常の中で見えてきた課題や工夫、学校生活や家庭での関わり方、
そして成長に伴う心と体の変化への向き合い方について、具体的なエピソードを交えてお話しいただきました。
また、同じ病気の方が身近にいないことで不安を抱える患者さんやご家族に向けて、
「一人で抱え込まなくていい」という温かいメッセージもいただいています。
患者さん一人ひとりの人生に寄り添う医療とは何か――
そのヒントが詰まったインタビューを、ぜひご覧ください。
〇小児の腎臓・骨疾患を中心に、長期的に寄り添う医療
〇専門分野との出会いは“気づき”から
〇「答えを出す」のではなく「一緒に考える」 🔒
〇学校生活で大切なのは「できることを一緒に探す」こと 🔒
〇食事で支える骨の健康 🔒
〇運動は「その子にとっての適度」が大切 🔒
〇家庭での関わり方 🔒
〇思春期は「自分らしい生き方」を考える時期 🔒
〇患者さん・ご家族へのメッセージ 🔒
〇おわりに 🔒

北岡先生は、子どもの腎臓疾患や骨の病気を中心に、1型糖尿病なども含めた慢性疾患の診療に幅広く携わっています。
乳幼児期から思春期、さらには成人へと成長していく過程の中で、患者さん一人ひとりの状態や生活背景に寄り添いながら、長期的な視点で医療を提供されています。
診療の現場では、病気そのものだけでなく、成長や生活とのバランスをどのように保っていくかが重要になります。
学校生活や家庭での過ごし方、将来の進路など、医療の枠を超えた視点での関わりも求められるのが特徴です。
「腎臓と骨は切っても切れない関係にあります。腎臓が悪くなると骨にも影響が出ますし、その逆もあります。
だからこそ、両方を一体として診ることが大切なんです」
例えば、腎臓の機能が低下すると、体内のミネラルバランスが崩れ、骨が弱くなることがあります。
また、治療のために使用する薬剤が骨に影響を及ぼすケースもあり、複数の要素を総合的に捉えながら治療方針を考える必要があります。
こうした背景から、北岡先生は「臓器ごとに分けて考えるのではなく、身体全体を一つのつながりとして捉えること」を大切にされています。
慢性疾患は、短期間で完結するものではなく、長い年月をかけて向き合っていくものです。
だからこそ、診療の中では「今この瞬間の治療」だけでなく、「これから先の生活」や「将来の姿」まで見据えた関わりが求められます。
「患者さんとは、ある意味で長いお付き合いになります。小さな頃から関わって、大人になっていく過程も見守っていく。
その中で、医療者としてできることは、ずっと寄り添い続けることだと思っています」
患者さんやご家族と信頼関係を築きながら、人生の節目ごとに必要な支えを提供していく――。
その積み重ねこそが、慢性疾患と向き合う医療において重要な役割を果たしています。
医師としての進路を模索する中で出会った恩師の存在が、北岡先生の現在の専門分野へと大きく影響を与えました。
研修医時代に指導を受けた医師が、腎臓や骨の疾患、とりわけ希少な骨の病気を専門としていたことが、その後の進路を決定づけるきっかけとなったといいます。
当時はまだ、骨の難病や希少疾患について深く知る機会は多くなく、臨床の現場で初めて向き合う中で、これまで知らなかった世界に触れた感覚があったそうです。

「骨の難病や希少疾患の患者さんと出会ったとき、“こういう病気があるんだ”と強く印象に残りました。
普段の生活の中ではなかなか意識することはないけれど、実際にそうした病気と向き合いながら生きている方がいるんだと実感しました」
さらに印象的だったのは、その病気との関わり方でした。
「赤ちゃんの頃から始まって、大人になるまでずっとフォローしていく必要がある。
誰かが継続して見ていかなければいけない存在なんだということに気づいたのが大きかったですね」
一時的な治療ではなく、人生に寄り添い続ける医療。
その在り方に触れたことで、医師としての価値観にも変化が生まれていきました。
また、日常生活の中で何気なく見かけていた身体的特徴の背景に、実は病気がある可能性に気づいたことも、印象に残っているといいます。
「子どもの頃に街で見かけていた“少し違うな”と感じていたことが、実は病気によるものだったのかもしれない、と後からつながっていったんです」
そうした気づきの積み重ねが、「目の前の患者さんをより深く理解したい」という思いへとつながり、やがて慢性疾患に長く寄り添う医療への関心を強くしていきました。
一人の恩師との出会い、そして患者さんとの出会い。
その両方が重なり合うことで、現在の専門分野へと自然に導かれていったのです。・・・・・・・・
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