「“学ぶ”って、わが子にとってどういうこと?――難病とともに歩む子どもの就学を考える」⑤大学・専門学校期:自律と支援の接点を築く(シリーズ掲載)
2025/12/25公開
学びの自由度と制約
大学・専門学校では、講義出席・試験制度・成績評価方法などが比較的自由度を持つ一方で、規定が硬い場合も少なくありません。体調不良や通学困難に備えて、合理的配慮や特例措置を活用することが重要です。
学生は自ら配慮申請を行ったり支援窓口と交渉したりする必要がありますが、その手続きが負荷になることもあります。また、制度を知らない学生や教職員が多いため、支援制度を使いにくいという声もあります。
大学側には「障害学生支援センター」が設置されていることが多く、ノート代行、録画講義配信、時間延長試験、別室試験、ICT支援などの措置を受けられる場合があります。
通学補助・交通費支援制度を設けている大学や自治体もありますので、学生はこれらを調べて申請する必要があります。
就職活動やインターンシップに進む際には、体調変化に対応できる企業を探す、配慮を交渉する、自分に合った働き方を模索するなどの準備が求められます。
▼参考サイト:
みんなで就学活動(みんなで就学活動実行委員会)
https://issueplusdesign.jp/shugaku-shien/
動画でやさしくケースごとに解説してくださっています。
▼関連支援制度
■特別児童扶養手当
特別児童扶養手当について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jidou/huyou.html
子どもの手当 よくある質問(葛飾区)
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/faq/kosodate/josei/teate/1001335.html
■障害児福祉手当
障害児福祉手当(国制度)(練馬区)
https://www.city.nerima.tokyo.jp/hokenfukushi/shogai/teate/shogaiji.html
※これらの手当(特別児童扶養手当・障害児福祉手当)の内容や手続きは、お住まいの自治体によって、申請方法や窓口、細かな取り扱いが異なる場合があります。
詳しくは、お住まいの市区町村のホームページや福祉窓口でご確認ください。
大学・専門学校期は、難病のあるお子さんが自分の体調や学びのスタイルに合わせて学ぶ力を育てる大切な時期です。合理的配慮や支援制度を活用することで、通学困難や体調変化への対応がしやすくなり、学びや就職活動の選択肢も広がります。
保護者や教育関係者も、制度の内容や申請方法を確認し、学生自身と連携してサポートすることが、安心して学べる環境づくりにつながります。

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