国立精神・神経医療研究センター/小牧 宏文 先生  監修コラム④

脊髄性筋萎縮症(SMA)の

心の健康と家族のメンタルサポート


はじめに

脊髄性筋萎縮症(SMA)は、筋力低下や日常生活の制限など身体的な課題に加え、心理的な影響も大きくなりやすい疾患です。
本人や家族は、将来への不安、疲労感、生活の制限によるストレスを抱えることがあります。

心の健康を守ることは、治療やリハビリ、日常生活の質(QOL)の維持にも直結します。
患者本人と家族の心理的サポートを意識することが、生活の安定や社会参加の促進にもつながります。



1.SMAが心に与える影響

SMAの症状や生活上の制約は、心にも影響します。
代表的な心理的負担は以下の通りです。


患者本人への影響

・体力や筋力の制限により、自由に行動できないことへのもどかしさ

・将来への不安や自己肯定感の低下

・外出や学校・職場での制限による孤独感やストレス


家族・介助者への影響

・介助や生活支援の負担による疲労感・ストレス

・患者本人の安全や健康への不安

・将来設計や治療選択の悩み

これらの心理的負担は、生活の質や家族関係にも影響するため、早めに気づき、適切に対応することが重要です。



2.心の健康を守るための工夫

SMAの心の健康を維持するためには、日常生活や社会参加の工夫と、
心理的支援の活用が有効です。


〇日常生活でできる工夫

・小さな達成感を感じられる活動を取り入れる(趣味、学習、軽い運動など)

・日々のスケジュールや活動量を調整し、疲労やストレスを減らす

・家族や友人とのコミュニケーションを大切にし、孤立感を防ぐ

・支援の活用

・心理士・カウンセラー、精神科との相談

・SMA患者会や家族会など、同じ経験を持つ仲間との交流

・学校や職場での配慮や福祉サービスの利用

☆ポイント

・心の健康は身体の健康と同じく重要であり、早めの対応が生活の質を守る

・小さな変化や気づきを大切にし、必要なときに専門家のサポートを受ける



3.家族・介助者のメンタルサポート

家族や介助者の心の健康も、患者本人の生活の質に影響します。

負担やストレスが過剰になると、支援の質や家庭環境にも影響を与えることがあります。


〇具体的な支援の方法

・患者本人の自立を尊重し、できることは本人に任せる

・家族間で役割や負担を分担する

・定期的に気持ちを共有し、困ったことや不安を相談する

・外部の支援サービスや相談窓口を活用し、孤立感を減らす




おわりに

SMAの心の健康と家族のメンタルサポートは、生活の質や社会参加を支える基盤です。

患者本人と家族が互いの気持ちを理解し、専門家や支援サービスを活用することで、日常生活の安心感や充実感を高めることができます。


監修:国立精神・神経医療研究センター/ TMC(トランスレーショナル・メディカルセンター)センター長、

脳神経小児科診療部長      小牧 宏文 先生   



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