軟骨無形成症 こぐま さん インタビュー(前編)

「病気があるから」だけではない。

自分らしい暮らしを探しながら、SNSで発信するこぐまさん


「軟骨無形成症のことを知ってもらいたい」

そうした思いから、Instagramで日々の暮らしや工夫について発信している、

こぐまさん。


投稿では、病気に関することだけではなく、外出先で感じるちょっとした困りごとや、

生活の中で工夫していることなどを、イラストや写真を使って丁寧に紹介されています。


今回は、そんなこぐまさんに、これまでの学校生活や病気との付き合い方、

そしてInstagramで発信を始めたきっかけについてお話を伺いました。


インタビュー目次

1.「本当にのんびり、平凡な日々を過ごしています」

2.「病気があるから」ではなく、暮らしの中の困りごとを伝えたい

3.「小さいだけじゃない」――自分の経験を発信する理由

4.自分が「やってみたい」と思えるようになったタイミング🔏

5.「かわいい」「わかりやすい」を大切にした投稿🔏

「本当にのんびり、平凡な日々を過ごしています」


現在、一人暮らしをしながら、福祉関係の仕事をしているこぐまさん。


平日は仕事、土日は休みという生活ですが、仕事が終わってから何かをするというよりは、家に帰って食事をして、お風呂に入って眠る。


そんな毎日を過ごしているそうです。


「もともと体力がないのもあって、仕事に行くと疲れちゃうんですよね。

だから平日は、家に帰ってきて何かして過ごすというのはなかなかできなくて。

ご飯を食べて、お風呂に入って寝る、という感じです。

土日は友人と遊びにでかけたり、家のことをしたりして過ごしています。

本当に、仕事とプライベートと、のんびり自分のペースで。

そんなに派手なことをするわけでもなく、平凡な日々を過ごしています」


そんなこぐまさんですが、現在の仕事では、生活に困りごとを抱えている方の相談に関わっています。

今年から新しい担当になり、これまでとは違った難しさを感じることも多いといいます。


「以前は、地域の方と一緒にイベントを考えたり、人と人がつながるためにはどうしたらいいかを考えたりする仕事でした。

でも今は、実際に悩みを抱えている方と直接お話をすることが多くて。

前向きな話だけではなく、その方が今まさに抱えている困りごとに向き合う仕事なので、精神的にも疲れることがあります」


相談の内容は、家計の管理や仕事に関することなど、一人ひとり異なります。


「お金がないのであれば働けばいい、という単純な話ではないんですよね。

働けない理由が、その人の中にあったりする。

だから、ただ励ませばどうにかなるということでもなくて。

その人の強みというか、いいところを一緒に見つけて、

そこを伸ばしていけるような支援ができたらと思っています。

まだまだ自分自身も勉強中で、模索しているところです」


これまで作業療法士として働いてきた経験も、現在の仕事の中で生かしていきたいと考えています。


「その人の強みを引き出すというところでは、作業療法士としての経験も活かせたらと思っています。

ただ、制度や債務整理など、お金に関する知識はまだまだ勉強しないといけなくて。

そこは今、仕事をしながら学んでいるところです」


「病気があるから」ではなく、暮らしの中の困りごとを伝えたい


こぐまさんがInstagramを始めたのは、

病気のことだけを発信したかったからではありません。


軟骨無形成症とともに生活する中で感じてきた、日常のさまざまな「困りごと」。


そして、その困りごとに対して、自分なりに行ってきた工夫を、

できるだけ具体的に伝えたいという思いがありました。

「家の中での生活のことだったり、外に出たときの困りごとだったり。そういうことをなるべく具体的に伝えていきたいと思って始めました。

社会に出てから、自分ができること、できないことを言葉で伝えなければいけない場面が増えてきたんです。

でも、自分の中では当たり前のように感覚的に工夫していることも多くて。それを改めて言葉にするのって、すごく難しいなと思いました」


自宅の中であれば、自分に合わせて台を置いたり、物の位置を変えたりすることで対応できることもあります。

しかし、外出すると、自分だけではどうにもできない場面もあります。


「スーパーやドラッグストア、服屋さんに行ったとき、上の棚に手が届かないことがあります。

誰かと一緒だったら、『あれ取って』と言えるんですけど、

一人だと、周りをキョロキョロして、誰か助けてくれそうな人はいないかなって探して、声をかけることもあります。

電車の荷物棚に手が届かなかったり、トイレの荷物かけが高かったり。

そういう、本当に小さなことなんですけど、生活の中では困ることがあります」


こうした経験から、こぐまさんは「自分自身で工夫できること」と

「社会側に知ってもらいたいこと」の両方があると感じています。


「家の中だったら、自分で台を置くとか、ちょっとした工夫でできることもあります。

でも、外出先や公共の場では、自分一人では変えられないこともありますよね。

『こういうことで困っている人もいるんだ』ということを知ってもらうことも必要だと思っています。

全部を変えてほしいということではなくて、

こういうことで困っている人もいるんだと知ってもらえたら、それだけでも少し違うのかなと思っています」


「小さいだけじゃない」――自分の経験を発信する理由


こぐまさん自身も、これまでの生活の中で、病気によるさまざまな経験をしてきました。


特に大きな転機となったのが、頸椎症の治療です。

2回目の手術を経験したことで、改めて自分の身体や生活について考えるようになりました。



「頸椎症が悪化して、2回目の手術をしました。

そのときに改めて、自分の体や生活と向き合うことになったんです。

再発したことについて、もしかしたら自分の生活や体の使い方に何か原因があったのかな、

と考えたこともありました。

でも医師からは、『そればかりが原因ではないよ』と言われて。

それでも、自分の中では、日々当たり前にやっていたことが、何か身体に負担をかけていたのかなと考えるようになりました」


そこで、自分自身が生活の中で行っている工夫について発信してみようと思ったといいます。


「同じ軟骨無形成症の方でも、脊椎の病気を抱えている方はいると思います。

だから、何かを予防できるということを伝えたいというよりは、『私はこんなふうに工夫しています』とか、

『こういうことが起こる可能性もあるんだよ』ということを、一つの経験として伝えられたらと思っています」


こぐまさんが伝えたいのは、軟骨無形成症を「身長が低い病気」という一面だけで捉えてほしくないということ。


「軟骨無形成症って、『小さい』ということだけじゃないんですよね。

もちろん、みんなが同じ合併症になるわけではないし、それぞれ違うと思います。

だからこそ、病気になってしまうかもしれないという不安ばかりではなくて、

自分の生活の中で楽しいことも大切にしていきたいと思っています」.....................................




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