5/22 更新
【この記事でわかること】
・医療的ケア児が利用できる支援制度・手当・医療費助成の全体像
・訪問看護/レスパイト/短期入所など在宅支援の主なサービス
・申請方法・相談窓口・今すぐ取るべき行動
「退院後、どんな支援が受けられるの?」
「どこに相談すればいいの?」と不安を感じている保護者の方は多いと思います。
結論からお伝えすると、医療的ケア児には
国・自治体から多くの支援制度が用意されています。
手当・医療費助成・訪問看護・短期入所・療育サービスなど、複数の制度を組み合わせて利用できます。
この記事では、初めて制度を調べる方でも
「まず何をすべきか」がわかるよう、
利用できる制度を網羅的に解説します。
医療的ケア児とは、日常生活において継続的な医療行為が必要な18歳未満の子どもです。
2021年施行の医療的ケア児支援法により、国・自治体の支援義務が明確化されています。
医療的ケア児の定義と対象
子ども家庭庁の定義では、以下の医療行為を「継続的に」必要とする子どもが対象です。
対象年齢は18歳未満(高校在籍中であれば18歳以上も含む)。
支援は本人だけでなく、家族も対象です。
医療的ケア児支援法(2021年施行)のポイント
医療的ケア児が利用できる制度は「医療費助成」「手当」「訪問支援」「通所支援」「相談支援」の5カテゴリに整理できます。
複数を組み合わせて利用するのが基本です。
| カテゴリ | 制度・サービス名 | 概要 |
|---|---|---|
| 医療費助成 | 小児慢性特定疾病医療費助成制度 | 対象疾患の医療費を助成。自己負担を軽減 |
| 医療費助成 | 自立支援医療(育成医療) | 身体障害のある18歳未満の治療費を助成 |
| 手当 | 特別児童扶養手当 | 障害のある子を育てる親への月額手当 |
| 手当 | 障害児福祉手当 | 在宅の重度障害児本人への月額手当 |
| 訪問支援 | 訪問看護 | 看護師が自宅で医療ケアを提供 |
| 訪問支援 | 居宅介護(ホームヘルプ) | 日常生活動作をヘルパーが支援 |
| 短期支援 | 短期入所(ショートステイ) | 施設に一時的に預けられる |
| 短期支援 | レスパイト支援 | 保護者の休息を目的とした支援 |
| 通所支援 | 児童発達支援(就学前) | 専門スタッフによる療育・発達支援 |
| 通所支援 | 放課後等デイサービス(就学後) | 放課後・長期休暇中の生活・学習支援 |
| 相談 | 相談支援専門員 | サービス等利用計画の作成・調整 |
| 相談 | 医療的ケア児支援センター | 制度横断の総合相談窓口 |
※自治体独自の上乗せ支援がある場合があります。お住まいの市区町村に確認してください。
経済的支援として「特別児童扶養手当」「障害児福祉手当」「小児慢性特定疾病医療費助成」「自立支援医療」の4つが主な柱です。
重複して申請できるものが多く、家計の負担を大幅に軽減できます。
| 制度名 | 対象 | 支給額・助成内容 | 申請先 |
|---|---|---|---|
| 特別児童扶養手当 | 中程度以上の障害のある20歳未満の子を育てる父母等 | 1級:月55,350円 2級:月36,860円 (2024年度) | 市区町村窓口 |
| 障害児福祉手当 | 在宅の重度障害児本人 | 月15,690円(2024年度) | 市区町村窓口 |
| 小児慢性特定疾病 医療費助成制度 | 指定疾患に罹患する18歳未満 (継続は20歳まで) | 所得に応じた自己負担上限額で助成 | 都道府県・ 指定都市窓口 |
| 自立支援医療 (育成医療) | 身体障害のある18歳未満で手術等が必要な子 | 自己負担を原則1割に軽減 | 市区町村窓口 |
※手当には所得制限があります。
※小児慢性特定疾病は対象疾患(約1,000疾患)に該当するか事前に確認してください。
在宅生活を支えるサービスとして、訪問看護・短期入所・レスパイト・居宅介護・療育通所の各サービスを組み合わせて利用できます。
サービス内容はサービス等利用計画(相談支援専門員が作成)をもとに決定します。
訪問看護
看護師が定期的に自宅を訪問し、たん吸引・胃ろう管理・人工呼吸器管理などを行います。
主治医の指示書が必要で、医療保険または障害福祉サービスとして利用できます。
医療的ケア児対応可否は事業所によって異なるため、事前に確認が必要です。
短期入所(ショートステイ)・レスパイト支援
保護者の休息・病気・冠婚葬祭などの際に、子どもを医療機関や施設に一時的に預けられるサービスです。
医療的ケア児対応の短期入所施設は地域によって少ないため、早めに情報収集・登録を行うことをおすすめします。
レスパイト入院(保護者の休息を目的とした計画入院)を設けている病院もあります。
児童発達支援・放課後等デイサービス
就園・就学支援
医療的ケア児支援法の施行により、保育所・学校での看護師配置など受け入れ体制の整備が進んでいます。
通学が困難な場合は「訪問教育」として教員が自宅・病院に出向く制度もあります。
就園・就学先については教育委員会・保育担当窓口に早めに相談してください。
まず「医療的ケア児支援センター」または市区町村の障害福祉担当窓口に相談してください。
相談支援専門員と連携してサービス等利用計画を作成することで、複数のサービスをまとめて申請できます。
今すぐ取るべき行動(ステップ順)
| 相談窓口 | 特徴・活用場面 |
|---|---|
| 医療的ケア児支援センター(都道府県) | 制度横断の総合相談窓口。まず最初に連絡する |
| 市区町村 障害福祉担当窓口 | 受給者証の申請・各種サービスの手続き |
| 相談支援専門員(相談支援事業所) | サービス計画の作成・サービス調整 |
| 病院のソーシャルワーカー(MSW) | 退院前からの支援計画・地域連携 |
| 保健所・保健センター | 在宅医療・医療ケアに関する専門相談 |
※自治体によって窓口名称や担当が異なります。不明な場合は医療的ケア児支援センターへ。
Q. 退院前から支援制度の相談はできますか?
A. はい、できます。入院中に病院のソーシャルワーカー(MSW)に相談し、医療的ケア児支援センターや市区町村とつないでもらうのが最も効率的です。
Q. 複数の制度を同時に利用できますか?
A. 多くの場合、同時に利用できます。「特別児童扶養手当+医療費助成+訪問看護+デイサービス」の組み合わせは一般的です。相談支援専門員と一緒に整理することをおすすめします。
Q. 自治体によって使えるサービスが違うのですか?
A. はい。国の制度に加えて、自治体独自の支援(医療費上乗せ助成・レスパイト事業など)がある場合があります。市区町村の窓口や医療的ケア児支援センターに確認してください。
医療的ケア児が利用できる主な支援制度は以下のとおりです。
【利用できる主な支援まとめ】
最も大切なのは「一人で抱え込まず、まず相談する」ことです。
制度の利用条件や自治体ごとの違いは、窓口やセンターで確認するのが確実です。
ご家族の負担を少しでも減らしながら、お子さんとの時間を大切にできる環境づくりを、支援制度を活用してぜひ進めてみてください。