環状14番染色体症候群 医療的ケア児 子育てと社会保障

医療的ケアを必要とする子どもを育てる家庭にとって、社会保障制度は欠かせない支えです。
しかし、申請や情報収集は容易ではなく、多くの家庭が悩みを抱えています。
今回は、A夫妻にお話を伺い、実際に制度を利用した際の経験について詳しく語っていただきました。


「制度を使おう」と思ったきっかけ

A夫妻が社会保障制度の利用したのはあるきっかけがありました。

制度利用に関するきっかけや経験を紹介します。


Q.お子さんの医療的ケアが必要になった経緯を教えていただけますか?


Aさん:「子どもが10か月の頃にてんかんを発症し、1歳で療育を始めました。2歳になる頃には歩けるようになったのですが、医療的な支援が欠かせない状況になっていました。幼稚園に入るタイミングで、社会保障制度の利用を真剣に考えるようになったんです。」 

 

Q.最初に調べた制度は何でしたか?


Aさん:「『医療費助成制度』と『障害者手帳』ですね。ただ、障害者手帳を取得すると『障害者として認定される』ことへの心理的な抵抗があり、悩みました。でも、手帳があることで支援の幅が広がると分かり、思い切って申請することにしました。」


医療費助成制度について詳しく知りたい方はこちら:子どもの医療費助成

障害者手帳について詳しく知りたい方はこちら:障害者手帳


Q.制度の仕組みを理解する上で苦労したことはありますか?


Aさん:「正直、最初は何をどうすればいいのか分かりませんでした。役所の窓口に行っても、担当者によって説明が違うこともあり、混乱しましたね。親同士のネットワークやインターネットで情報を集めながら、少しずつ理解を深めました。」


Aさんの経験から学べること


✔ 医療的な支援が必要と感じたら早めに情報収集を開始する

✔ 幼稚園や学校への入園前に制度の準備を進める

✔ まずは「どんな制度があるのか」を把握することが重要


子どもが使える制度はこちらを確認


申請のプロセスと感じたこと

A夫妻が実際に経験した申請のプロセスと制度利用に関して感じたことを紹介します。

Q.実際に申請してみて、どう感じましたか?


Aさん:「必要な書類が多くて驚きました。特に、障害者手帳の申請では診断書や自治体の書類、写真、本人確認書類などを準備しなければならず、思った以上に時間がかかりました。」  


Q.書類の準備以外で苦労したことはありますか?


Aさん:「自治体ごとに対応が違うのが大変でしたね。別の地域の経験談を参考にしても、うちの自治体では適用外、なんてこともありました。何度も役所に問い合わせる必要があって、少し疲れました。」


Aさんの経験から学べること


✔ 「障害者手帳=制限」ではなく、「障害者手帳=支援を受けられる権利」と考える

✔ 制度のメリット・デメリットを比較し、自分の家庭にとって最適な選択をする

✔ 同じ状況の人の体験談を参考にすると、決断しやすくなる


制度利用で感じた「良かったこと・大変なこと」

制度を利用することで、生活面での大きな変化がありました。

A夫妻が感じた「良かったこと・大変なこと」を紹介します。


Q.制度を利用して良かったと感じたことを教えてください


Aさん:「医療費助成制度のおかげで治療費の負担が減りましたし、障害者手帳を取得したことで利用できるサービスが増えました。患者会や自治体の相談窓口を通じて、同じような境遇の家庭と交流できたのも心強かったです。」


Q. 逆に、大変だと感じたことはありますか?


Aさん:「やはり制度が少しわかりづらいですね。自治体によって支援内容が違うし、申請のタイミングも分かりづらい。書類の準備にも時間がかかりますし、制度自体が年ごとに変わるので、常に最新情報をチェックしなければいけません。」


Aさんの経験から学べること


✔ 役所の説明だけでなく、実際に制度を利用している人の話を聞く

✔ 病院のソーシャルワーカーや患者会を活用する

✔ インターネットやSNSを利用して情報を収集する


ここれから制度を利用する方へ、A夫妻からのアドバイス

社会保障制度をスムーズに活用するためには、事前の準備が重要です。

A夫妻から制度を利用したいと考えている方へのアドバイスです。


Q.社会保障制度を活用するためのアドバイスをお願いします。


Aさん:「まず、診断書は早めに取得しておくといいです。自治体の公式サイトで最新の制度を調べ、必要な書類を整理しておくことも重要ですね。」  


Q. 申請をスムーズに進めるために、心がけるべきことは?


Aさん:「自治体の窓口だけに頼るのではなく、親同士のネットワークを活用することをおすすめします。他の家庭の経験談が役立ちますし、情報交換の場があると気持ち的にも楽になります。また、制度の変更に備えて、定期的に情報を見直すことも大事です。」


Aさんの経験を踏まえて、社会保障制度をスムーズに活用するためのステップをまとめました。

  • まずは制度を知る

→ 自治体の公式サイトや病院のソーシャルワーカーに相談

→ 患者会や難病ネットワークの情報を確認する

  • 自分に必要な支援を見極める

→ 医療費助成だけでなく、介護・教育関連の支援もチェック

→ 現在の生活環境に合わせた支援を選ぶ

  • 申請の準備をする

→ 書類の記入方法を確認し、不明点は自治体や相談窓口で質問

→ 対応する窓口の営業時間や申請期間を事前にチェック

  • 同じ境遇の人とつながる

→ オンラインの患者会・コミュニティに参加

→ 相談できる専門家や支援者を見つける


支援情報のまとめ

医療的ケアが必要なお子さまを育てるA夫妻が実際に利用した支援制度をまとめました。
A夫妻と同じように、お子さまのケアに日々向き合っているご家族の皆さまにも、きっと役立つ情報があるはずです。
それぞれの制度の概要や相談窓口をご確認いただき、ぜひご自身の状況に合わせて活用できるものがないか、お考えの際に参考としていただければ幸いです。


制度概要相談窓口
乳幼児医療費助成制度乳幼児の医療費の自己負担分を助成する制度。
自治体によって対象年齢や助成範囲が異なります。
お住まいの市区町村の子育て支援課、児童手当係、保健センターなど
障害者手帳障害のある子どもが様々な支援やサービスを受けるために交付される手帳の総称です。
療育手帳(知的障害者手帳)・療育手帳(知的障害者手帳)・身体障害者手帳の3種類があります。
お住まいの市区町村の障害福祉課、児童相談所、知的障害者更生相談所、保健所・保健センター、発達障害者支援センター、病院のソーシャルワーカー(医療相談室)など

※各制度名には、その制度についてさらに詳しく解説している当ウェブサイトの記事ページへのリンクが設定されています。
 より詳細な情報や申請手続きの具体的な流れを確認する際にご活用ください。


最後に

A夫妻:「社会保障制度は、医療的ケア児を育てる家庭にとって欠かせないものですが、申請の難しさや情報の分かりづらさはまだまだ課題です。でも、適切な支援を受けられれば、生活が大きく変わります。情報提供がもっと充実することを期待していますし、制度を利用する皆さんが安心して支援を受けられるようになることを願っています。」

医療的ケアが必要な子どもを育てるご家庭にとって、社会保障制度は大きな支えとなる一方で、その複雑さから利用をためらってしまうこともあるかもしれません。

しかし、A夫妻の言葉にもあるように、適切な支援を受けることで、生活は大きく変わります。
この情報が、制度の活用に踏み出す一助となれば幸いです。
私たちは、皆さんが安心して必要な支援を受けられるよう、情報発信を続けていきます。



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