
「“わからない不安”を、“わかる安心”に」
診断名を告げられたその瞬間から始まる、先の見えない日々。
情報が少なく、同じ病気の人にもなかなか出会えない——
そんな“わからない”という状態は、想像以上に大きな不安を生み出します。
けれども、少しずつ情報に触れ、同じように歩んでいる人の存在を知り、経験を重ねていく中で、
その不安は「理解」へと変わり、「安心」へと近づいていきます。
点状軟骨異形成症という希少な疾患とともに生きるご家族は、
日々の選択や葛藤を重ねながらも、「今できる最善」を探し続けています。
医療、生活、教育、そして人とのつながり——
その一つひとつに向き合いながら、自分たちなりの答えを見つけていく過程は、決して平坦ではありません。
それでも、「わからないまま立ち止まる」のではなく、「わかろうとすることで前に進む」。
そんな思いを大切にしながら、家族としてのかたちを築いてきました。
このインタビューでは、点状軟骨異形成症とともに歩む中で感じた不安や気づき、
そして支えとなった出会いや経験についてお話を伺いました。
希少疾患と向き合うご家族のリアルな声を通して、
同じように悩む方々にとっての小さなヒントや安心につながることを願っています。
〇お子さんのご様子について
〇生まれる前から始まっていた向き合い
〇NICUでの時間と大きな転機 🔒
〇情報が少ない病気とどう向き合うか 🔒
〇保育園との出会いがもたらした成長 🔒
〇現在向き合っている医療的課題 🔒
〇日常生活で大切にしていること 🔒
〇“つながり”が支えになる 🔒
〇最後に 🔒

今回お話を伺ったのは、点状軟骨異形成症のお子さんを育てるご家族です。
日々の生活の中で感じていることや、お子さんたちの成長の様子について、率直に語ってくださいました。
現在、ご家庭には5歳の息子さんと、生後9か月の娘さんの2人のお子さんがいらっしゃいます。
お二人とも同じ「点状軟骨異形成症」という診断を受けていますが、実際の症状や日々の様子には大きな違いがあるといいます。
息子さんは、低身長に加えて脛骨(すねの骨)の変形があり、特に足の形に特徴が見られます。
乳幼児期には足の裏全体で体を支えることが難しく、外くるぶしで立つような姿勢になることもありました。
当時は「歩くことは難しいのではないか」と感じていたそうですが、成長とともに自ら歩き始め、その姿にご家族も大きな驚きと喜びを感じたといいます。
「正直、最初は歩けないかもしれないと思っていました。でも、気がついたら自分で歩き出していて…。
子どもの力ってすごいなと感じました」
現在は、日常生活の中で特別な痛みや大きなトラブルもなく、周囲のサポートを受けながら元気に過ごしています。
体格としては同年代の子どもと比べて小柄で、手足の短さや体幹の小ささ、頭部が大きく見えるといった特徴もありますが、その一つひとつを受け止めながら、日々の成長を見守っています。
一方、妹の娘さんは、同じ診断名でありながら、現時点では息子さんほど顕著な骨の変形は見られていません。
鼻の低さなど、点状軟骨異形成症にみられる特徴はあるものの、全体としては比較的穏やかな経過をたどっています。
「もちろんこれから成長する中で変化が出てくる可能性はありますが、今のところは大きく困っていることはありません」
同じ病気であっても、その現れ方や経過は一人ひとり異なる——。
その現実を、日々の子育ての中で実感しているといいます。
「同じ診断名でも、ここまで症状が違うんだと実感しています。だからこそ、一人ひとりに合わせて考えていくことが大切だと感じています」
息子さんについては、妊娠中の健診の段階から、身体の特徴について指摘を受けていました。
エコー検査を重ねる中で、手足の長さや骨の形、顔立ちなどに通常とは異なる点が見られ、
「何らかの骨系統疾患の可能性があるのではないか」と徐々に示唆されていったといいます。
確定的な診断に至るまでには時間がかかり、医師も慎重に経過を見ながら判断していく状況でしたが、
それでもご家族にとっては「何かがあるかもしれない」という現実と向き合う時間が、出産前から始まっていました。

「生まれる前からある程度わかっていたので、心の準備ができた部分はありました。
もちろん不安はありましたが、“全く知らないまま迎える”のとは違ったと思います」
しかし、その背景には、さらに大きなご経験がありました。息子さんを授かる前、ご夫婦は別のお子さんを妊娠中に亡くすという、非常につらい出来事を経験されています。
お腹の中で異常が見つかり、医師から厳しい説明を受けた末に、苦渋の決断を迫られた過去がありました。
そのときの衝撃や悲しみは、言葉では表しきれないほど大きなものだったといいます。
「最初の子のときは、本当に何もかもが初めてで、受け止めきれないまま決断しなければならなくて…。
精神的にはあのときが一番きつかったです」
その経験があったからこそ、息子さんの妊娠では、医師と密に連携を取りながら、より慎重に経過を見守ることになりました。そして、たとえ何かがあったとしても、「どう向き合うか」「どう準備するか」を現実的に考える姿勢が自然と生まれていったといいます。
「もちろん、何もないことを願ってはいました。でも、もし何かあったときにどうするか、
どう育てていくか、少し冷静に考えられていたと思います」
“わからない”という状態は、人にとって大きな不安をもたらします。
何が起こるのか分からない、どんな未来が待っているのか見えない——その不確かさこそが、心に重くのしかかるものです。
「何が起こるかわからないことが、一番怖いんですよね。情報がないと、余計に不安が膨らんでしまって…」
だからこそ、たとえ完全には分からなくても、少しずつでも情報を得て、状況を理解しようとすること。
その積み重ねが、不安と向き合うための大切な一歩になっていったと振り返ります。
出生前から始まっていた“向き合い”の時間は、ご家族にとって決して簡単なものではありませんでした。
それでも、その過程があったからこそ、息子さんを迎えた後の選択や行動に、確かな軸が生まれていたのかもしれません。………
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