
SMAとともに成長するということ
― 高校2年生の息子さんとご家族が歩んできた道、そして未来 ―
SMA(脊髄性筋萎縮症)は、運動機能に影響を及ぼす希少疾患です。
症状の現れ方や進行の仕方は人それぞれで、治療や生活のかたちも一様ではありません。
今回お話を伺ったのは、SMAと診断され、高校2年生になった息子さんと、その親御さん。
診断に至るまでの不安な時間、治療や治験への参加、学校生活との向き合い、将来への思い、歩みを語っていただきました。
〇「何か違うかもしれない」――最初の小さな気づき
〇診断がつかない時間――5か月間の不安
〇SMAと告げられたときの、意外な感情 🔒
〇情報を求めて――患者会との出会い 🔒
〇治療と治験への参加という選択 🔒
〇「明らかに違う」と感じた治療の効果 🔒
〇治療とともに続けるリハビリ 🔒
〇学校生活と、少しずつ変わる関わり方 🔒
〇福祉制度と「情報の壁」 🔒
〇高校2年生、そしてこれからの未来 🔒
最初に違和感を覚えたのは、息子さんがまだ小さい頃でした。
寝返りまでは順調にしてましたが、6か月を過ぎても寝返りでしか移動をしなかった、周囲の子どもたちと比べたとき、体の動かし方に、違和感を感じたといいます。
「大きな異常というほどではなかったんです。ただ、“少し違うかも”という感覚がありました」
食事や日常生活には特に問題はなく、元気に過ごしていたため、「個性の範囲なのでは」と思う気持ちもありました。
しかし、10か月健診をきっかけに、体幹がふにゃふにゃであることや座位が不安定であることを指摘され、医療機関を紹介され、検査を受けることになります。
病院を受診してからも、すぐに病名が明らかになったわけではありませんでした。
さまざまな検査を受けながら、診断が確定するまでに約5か月を要しました。
「何が原因なのか分からない状態が続くのが、一番つらかったですね」
情報がなく、先が見えない。
「この先どうなってしまうのだろう」「どこに相談すればいいのだろう」
そんな不安を抱えながら過ごす日々だったといいます。......
☆本記事は、一般社団法人SMA家族の会のご紹介・ご協力のもとに作成しました。
※脊髄性筋萎縮症についての情報がご覧いただけます。
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