2026年8月から高額療養費制度はどう変わる?難病患者さんが確認したいポイント

2026/07/02公開
2026年8月から、高額療養費制度の見直しが予定されています。
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が高額になったとき、年齢や所得に応じて決められた自己負担上限額を超えた分が払い戻されたり、事前の手続きにより窓口での支払いが上限額までに抑えられたりする制度です。
今回の見直しでは、月ごとの自己負担上限額が変わる一方で、長期療養者などへの配慮として「年間上限」が新たに設けられます。
難病や指定難病で治療を続けている方は、指定難病の医療費助成制度や受給者証との関係を確認しておくことが大切です。
💡この記事のポイント
2026年8月から、高額療養費制度の自己負担上限額が見直されます。
ただし、指定難病の受給者証を利用している方は、指定難病の治療については、受給者証に記載された自己負担上限額の範囲で負担が管理されるため、実際の窓口負担が大きく変わらない場合もあります。
一方で、次のような方は影響を受ける可能性があります。
•指定難病の医療費助成を利用していない方
•指定難病に該当していても、受給者証を取得していない方
•難病以外の病気や合併症の治療費が多い方
•高額な薬剤や点滴治療を継続している方
•受給者証の有効期限が切れている方
制度改正の影響は、病名だけでは判断できません。所得区分、年齢、加入している健康保険、受給者証の有無、治療内容によって変わります。
高額療養費制度で変わること
2026年8月からの見直しでは、主に次の点がポイントです。
高額療養費制度では、1か月に支払う保険適用の医療費が高額になった場合でも、年齢や所得区分に応じて、自己負担額に上限が設けられています。
2026年8月からは、この「1か月に支払う医療費の上限額」が見直される予定です。
そのため、これまで高額療養費制度によって医療費の負担が一定額に抑えられていた方でも、所得区分や治療内容によっては、月ごとの支払い額が変わる可能性があります。

※実際の自己負担上限額は、年齢・所得区分・加入している健康保険などによって異なります。
難病の治療では、高額な点滴治療、注射薬、生物学的製剤、免疫療法などを継続して行う場合があります。
こうした治療で高額療養費制度を利用している方は、今回の見直しによって自己負担額がどう変わる可能性があるのか、加入している健康保険や医療機関の相談窓口で確認しておくと安心です。
▼参考リンク:
厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
2026年8月からは、長期にわたって治療を続ける方への配慮として、年単位の上限額が新たに設けられる予定です。
年間上限とは、1か月ごとの自己負担額だけでなく、1年間を通じた医療費の負担にも上限を設ける仕組みです。
難病の治療は、1回の受診や入院で終わるものばかりではありません。通院、検査、薬物療法、点滴治療、在宅医療などが長く続くことがあります。
そのため、毎月のように医療費がかかる方にとっては、月ごとの上限額だけでなく、年間でどのくらい負担することになるのかを確認することが大切です。
年間上限の具体的な対象や金額は、所得区分などによって異なります。詳しい内容は、厚生労働省や加入している健康保険からの案内をご確認ください。

高額療養費制度には、「多数回該当」という仕組みがあります。
多数回該当とは、過去12か月以内に高額療養費に3回以上該当した場合、4回目以降の自己負担上限額が下がる仕組みです。
たとえば、毎月のように点滴治療や注射薬による治療を受けている方は、高額療養費制度の対象となる月が続くことがあります。その場合、4回目以降は、1か月あたりの負担が軽くなる可能性があります。
ただし、多数回該当の判定は、加入している健康保険ごとに行われます。
転職、退職、国民健康保険への切り替え、家族の扶養に入るなどで健康保険が変わると、これまでの該当回数の扱いが変わる場合があります。
高額な治療が続く見込みがある方は、加入している健康保険や医療機関の相談窓口に確認しておきましょう。
▼参考リンク:
高額療養費(協会けんぽ)

指定難病の医療費助成を受けている方は、医療機関や薬局で「特定医療費(指定難病)受給者証」を提示します。
対象となる指定難病の治療については、受給者証に記載された自己負担上限額の範囲で支払いが管理されます。
そのため、高額療養費制度の自己負担上限額が見直されても、指定難病の医療費助成の対象範囲内であれば、実際の負担額が大きく変わらない場合があります。
ただし、注意が必要です。
受給者証があっても、すべての医療費が助成対象になるわけではありません。
たとえば、次のような費用は別に確認が必要です。
・指定難病と関係のない病気やけがの治療費
・指定医療機関ではない医療機関で受けた診療や調剤
・差額ベッド代
・入院時の食事代
・文書料
・保険適用外の治療費
「受給者証があるから全部大丈夫」と考えるのではなく、どの医療費が助成対象になるのかを確認しておきましょう。
▼参考リンク:
難病医療費助成の助成内容(東京都 保健医療局)
特定医療費(指定難病)助成制度の概要(名古屋市)
特定医療費(指定難病) よくあるご質問(横浜市)
影響を受けやすい難病患者さん
次のような方は、今回の見直しによる影響を確認しておくと安心です。
指定難病に該当していない病気や、受給者証を取得していない方は、高額療養費制度の見直しの影響を受けやすい可能性があります。
難病の中には、高額な薬剤や点滴治療が継続して行われる疾患もあります。
病名だけで影響が決まるわけではありませんが、高額な治療を受けている方は、自己負担上限額を確認しておきましょう。
指定難病の治療費は医療費助成の対象になっていても、別の病気やけがの治療費は対象外になる場合があります。
難病以外の治療も多い方は、高額療養費制度の見直しが関係する可能性があります。
今のうちに確認したいこと
制度改正に備えて、次の点を確認しておきましょう。

1. 受給者証の有効期限
特定医療費(指定難病)受給者証には有効期限があります。
更新手続きが遅れると、医療費助成を受けられない期間が生じる可能性があります。
2. 自己負担上限額
受給者証に記載されている自己負担上限額を確認しましょう。
更新後に所得区分が変わると、自己負担上限額が変わることもあります。
3. 自己負担上限額管理票
指定難病の医療費助成では、自己負担上限額管理票で月ごとの支払額を管理します。
病院、薬局、訪問看護など、複数の指定医療機関を利用している場合は、記入漏れがないか確認しましょう。
4. 限度額適用認定証・マイナ保険証
高額な医療費が見込まれる場合、限度額適用認定証やマイナ保険証を利用することで、保険適用分について、窓口での支払いを自己負担上限額までに抑えられる場合があります。
入院や高額な外来治療の予定がある方は、事前に医療機関や加入している健康保険に確認しておきましょう。
5. 相談先
制度の影響がわからない場合は、次の窓口に相談できます。
•医療機関の医療相談室
•医療ソーシャルワーカー
•自治体の難病担当窓口
•保健所
•加入している健康保険組合
•全国健康保険協会
•市区町村の国民健康保険窓口
相談するときは、受給者証、自己負担上限額管理票、健康保険の情報、領収書、診療明細書などを手元に用意しておくと確認しやすくなります。
よくある質問
必ずしもそうとは限りません。
指定難病の治療については、受給者証に記載された自己負担上限額の範囲で負担が管理されます。
ただし、難病以外の治療費や、助成対象外の費用については、高額療養費制度の見直しが関係する場合があります。
影響を受ける可能性があります。
指定難病の医療費助成を利用していない場合、保険適用の医療費は高額療養費制度で負担を軽減することになります。
高額な薬剤や入院治療がある方は、加入している健康保険に自己負担上限額を確認しましょう。
Q. 高額な薬を使っている場合はどうすればよいですか?
まず、治療が保険適用か、指定難病の医療費助成の対象になるかを確認しましょう。
あわせて、受給者証の自己負担上限額、限度額適用認定証やマイナ保険証の利用、年間上限、多数回該当についても確認しておくと安心です。
高額療養費制度については、加入している健康保険に確認します。
指定難病の医療費助成については、自治体の難病担当窓口や保健所に相談します。
治療費全体の不安がある場合は、医療機関の医療相談室や医療ソーシャルワーカーに相談するとよいでしょう。
まとめ
2026年8月から、高額療養費制度の見直しが予定されています。
難病患者さんにとって大切なのは、「制度が変わる」ということだけでなく、自分の治療費にどのような影響があるかを確認することです。
指定難病の受給者証を利用している方は、指定難病の治療については負担が大きく変わらない場合もあります。
一方で、受給者証を持っていない方、助成対象外の治療費が多い方、高額な治療を継続している方は、自己負担額が変わる可能性があります。
受給者証の有効期限、自己負担上限額、自己負担上限額管理票、加入している健康保険の情報を確認し、不安がある場合は早めに相談しましょう。
▼参考リンク:
•厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
•厚生労働省「指定難病」
•厚生労働省「難病対策」
•全国健康保険協会「限度額適用認定証」
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