Amiさんが伝える「息をしているだけで100点満点」
シンガーソングライターAmiさんの素敵なお話を前後編に分けて、お届けします。
【目次】
5. 🔏出産までの経緯
6. 🔏出産後と子育て
7. 音楽活動に込める想い
10. 難病と向き合う方へのメッセージ
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お写真は、Amiさんご家族の許可を頂いて掲載しております。
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Amiさんにとって、音楽は単なる趣味でも仕事でもありません。
幼い頃からそばにあり、夢を追いかけるきっかけになり、病気と向き合う日々の中でも支えになってきた存在です。
音楽との出会いは、幼少期にさかのぼります。お父様がフォークソング好きだったこともあり、家では自然と音楽が流れていました。歌うことが好きになり、いつしか「歌手になりたい」という夢を抱くようになります。
転機となったのは中学生の頃でした。
友人と初めて行ったカラオケで歌った時、
「人生で一番うまい人に会った」
と言われたそうです。
「多分、お世辞だったと思うんですけど(笑)」
そう笑いながらも、その言葉はAmiさんの背中を大きく押しました。
「私は歌手になるしかないと思いました」
高校卒業後は一度、地元で就職します。それでも心の中には、ずっと音楽への想いがありました。
そんな時、お母様から勧められてオーディション番組に応募します。結果は不合格でしたが、審査員からかけられた言葉が人生を動かしました。
「夢を持っているなら、もう動き出さないと始まらないよ」
その言葉を聞いたAmiさんは、福岡へ行くことを決めます。音楽スクールに通い、本格的に音楽活動を始めました。
当時は「歌う人になりたい」という気持ちが強く、作詞作曲は特別な才能を持つ人だけができるものだと思っていたそうです。
しかし活動を続ける中で、少しずつ自分の言葉で曲を書くようになりました。
Amiさんの曲には、病気を経験したからこそ生まれた想い、家族への想い、愛犬との日々が込められています。
「曲を書くときに題材にするものは、自分が病気で感じたことだったり、家族と過ごしている日常からの思いだったりすることが多いです」
重症筋無力症と診断されてから、Amiさんは「ひとりで耐える時間」を経験してきました。
体が思うように動かない日。疲れが抜けず、何もできない日。将来を考えて不安になる日。
どれだけ周りに支えてくれる人がいても、体のつらさや心細さを完全に代わってもらうことはできません。
Amiさんはこう話します。
「一番苦しい時とかって、結局は一人なんだなっていうのは、病気を持ったことから感じていて。きつい時とか動けない時とか、そういう時は必ずやっぱり一人だなって」
だからこそ、Amiさんは音楽に特別な意味を感じています。
「音楽っていうのは、どこにいてもそばに置いとけるっていうのがあるので」
病室でも、自宅でも、眠れない夜でも、音楽はそばに置いておけるものです。
誰かが隣にいられない時でも、歌が心の近くにあることで、少しだけ支えになることがあります。
過去には、配信を通じてAmiさんの歌を聴いた方から、
「病気で外に出られなかったけれど、Amiちゃんの歌を聴いて外に出られるようになりました」
というメッセージをもらったこともありました。
そうしたメッセージはうれしくて、スクリーンショットで残しているものもあるそうです。
病気によって、思うように動けない日や、活動をセーブしなければならない時もあります。
それでも、病気を経験したからこそ生まれた言葉や、家族や愛犬との日々から生まれる想いがあります。
Amiさんは、その一つひとつを音楽に込めながら、今日も歌い続けています。
重症筋無力症とともに生活していると、思うように動けない日があります。
体調が続かない日もあり、音楽活動を続ける中で、心が折れそうになることもあるそうです。
「今の方が挫折しそうな時が多いかもしれないですね」
若い頃は、歌に自信があり、前に進む力もありました。
けれど今は、病気や子育てと向き合いながら活動を続けています。
「体調が続かない日が多いとか、こんなに長く下積みでやって芽が出ないってことは、諦めた方がいいんじゃないかとか、最近はよくそういうことばっかり考えて」
それでもAmiさんは、夢を手放したくないと話します。
「人と歩幅が多分違うんだと思うんですよ。私は多分、人よりもゆっくりだと思うんですよ」
人よりもゆっくりでも、自分の歩幅で進んでいく。
その思いが、Amiさんの音楽活動を支えています。
「ハンデがあるから諦めなきゃいけないとか、そういうのを理由に諦めたくないというか」
病気があるからできない。
人と同じように進めないから諦める。
そうではなく、Amiさんは、自分のペースで歌い続けています。
「もし私が一つでも大きな夢を叶えて、その姿を見てくださった方の少しでも力になれば」
現在の目標は、全国ツアーです。
配信を通じて応援してくれている方は全国にいます。
でも、実際に会ったことがない方もたくさんいます。
「全国ツアーをした時に、みんなの顔を見て歌いたいっていうのが、一番の目標にあって」
環境の変化などで、以前のように配信に来られなくなった方もいます。
それでもAmiさんには、いつか直接会って、成長した姿を見てもらいたいという思いがあります。
「自分が大きくなったところを見られる場所まで、もう少し頑張りたいなぁっていう気持ちはまだあります」
病気があっても、歩幅がゆっくりでも、夢を持ち続けていい。
Amiさんの言葉には、同じように病気と向き合う方の背中をそっと押してくれる力があります。

インタビューの最後に愛犬について尋ねると、Amiさんの表情がそれまで以上にやわらぎました。
現在、一緒に暮らしているのは愛犬の「あさりくん」。8歳になる大切な家族です。
「この子がいないと生きていけないですね」
その言葉に迷いはありませんでした。
体調が悪い時も、落ち込んでいる時も、思うように歌えない時も、いつもそばにいてくれたのが、あさりくんでした。
「支えというより、自分の一部みたいな存在です」
病気と向き合ってきた時間も。
音楽活動を続けてきた時間も。
妊娠や出産を経験した時間も。
あさりくんは、いつもAmiさんのそばにいました。
Amiさんにとって、あさりくんは単なるペットではなく、これまでの人生を一緒に乗り越えてきた大切な家族です。
インタビューの最後に、同じように病気と向き合っている方へのメッセージをお願いしました。
Amiさんは少し考えたあと、静かにこう話してくれました。
「息をしているだけで100点満点だと思います」
その言葉は、とても印象的でした。
病気になると、できないことに目が向きがちです。
以前はできていたことができなくなる。
周囲と比べて落ち込む。
将来が不安になる。
Amiさん自身も、そうした気持ちを経験してきました。
だからこそ、こんな言葉を続けます。
「病気があるだけで、みんな何かしら重たいものを背負っていると思うんです」
見た目には分からなくても、それぞれが自分なりに頑張っている。
体調と相談しながら仕事をしている人もいる。
家事や育児をしている人もいる。
病院へ通いながら毎日を過ごしている人もいる。
「だから、あまり考えすぎなくていいと思うんです」
もっと頑張らなきゃ。
ちゃんとしなきゃ。
そう思う日もあるかもしれません。
でも、Amiさんは「まずは生きているだけで十分」と伝えてくれました。
「息をしているだけで100点満点」
その言葉は、病気と向き合う多くの方の心を、そっと軽くしてくれるように感じました。
病気があっても夢を諦めない。でも無理もしない。
Amiさんの言葉には、重症筋無力症とともに生きる中で見つけた「自分らしい歩幅」が感じられました。
人より少しゆっくりでもいい。
立ち止まる日があってもいい。
それでも、自分らしく歩いていけばいい。
そんなメッセージを受け取ったインタビューでした。
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