セカンドオピニオンとは?

難病・希少疾患で納得して治療を選ぶための受け方・費用・注意点

セカンドオピニオンとは?今の治療方針について「別の専門医」の意見を聞く仕組み

セカンドオピニオンとは?今の治療方針について「別の専門医」の意見を聞く仕組み

セカンドオピニオンとは、現在の診断や治療方針について主治医以外の別の医師に「第2の意見」を聞き、患者さん自身が納得して治療を選択するための仕組みです。1)

難病や珍しい病気と診断されたとき、これからの治療や生活について大きな不安を抱くのはとても自然なことです。そのような場面で、自分自身が納得して最適な治療を選択するための心強い相談口となるのが「セカンドオピニオン」です。

ここで多くの方が誤解しやすいのが、「転院(病院を替えること)」との違いです。両者には次のような明確な違いがあります。

● セカンドオピニオン

現在の主治医のもとで治療を継続することを前提に、別の専門医の意見を聞く「相談」の場です。

相談先の病院で新たな検査を受けたり、その場で直接治療を受けたりすることはありません。

● 転院(病院を替えること)

通う医療機関や主治医そのものを変更し、新しい病院で治療を開始することです。


つまり、セカンドオピニオンは「主治医を替えること」とは根本的に異なります。

また、「セカンドオピニオンを希望すると、これまでお世話になった主治医を怒らせてしまうのではないか」「今後の関係が気まずくなるのではないか」と心配される方も少なくありません。しかし、その点については心配する必要はありません。

セカンドオピニオンは、医療者が患者さんに丁寧な説明を行い、患者さんが納得して合意した上で自らの意思で治療を選択する「インフォームド・コンセント(十分な説明と同意)」の考え方に深く根ざした、患者さんの正当な権利なのです。

現代の医療では、医師と患者さんが対等な立場で情報を共有し、一緒に納得して治療を進めるプロセスが重視されています。また、診療報酬の面での整備もできており、紹介を受ける医療機関は正しく診療報酬を受け取ることができるようになっています。

そのため、主治医と良好な関係を保ちながら別の専門医の意見を聞くことは現場でも広く受け入れられています。


どんなときに考える?難病・希少疾患でセカンドオピニオンを検討するタイミングとメリット

提示された治療法に迷いがあるときや、症例の少ない難病で最新の専門的見解を確認したいときなどがセカンドオピニオンを検討する適切なタイミングです。

一方で、「自分は受けたほうがいいのだろうか」「迷うというほどではないけど、どのタイミングで考えればよいのかわからない」と困るケースも少なくありません。

Q. セカンドオピニオンを検討する具体的なタイミングはいつですか?

主に以下のような場面が検討の目安となります。

  • 大きな手術や体に負担のかかる治療法を提示され、決めきれないと感じているとき
  • 主治医から「いくつかの治療選択肢がある」と提示され、比較して選びたいとき
  • 症例数が少ない難病のため、その疾患を専門に研究・治療している医師の見解も聞いてみたいとき
  • 現在の診断や治療方針についての説明にどうしても疑問や不安が残るとき 2)


患者数が少なく、診療経験のある医療機関が限られる疾患では、その疾患に詳しい医師の意見を聞くことが参考になる場合があります。

具体的なメリットとして次の2点が挙げられます。


● 専門家に意見を聞くことによって視野が広がる

近年、医療は専門化し、細分化しています。

自分の病気や特定の症状について豊富な治療実績を持つ専門医の意見を聞くことで、主治医とは異なるアプローチや最新の治療選択肢が示される可能性があります。

● 現在の治療方針への理解が深まり、納得して意思決定するための材料が増える

相談先の専門医から「現在の主治医が提示している治療方針が最も適切です」という同じ意見を告げられることもありますが、実はこれも大きな成果です。

専門家同士の見解が一致したことを客観的に確認できるため、迷いや不安が解消され、高い納得感とともに安心して治療に臨むことができるケースもあるのです。



このようなメリットを正しく受けるためには、相談先となる医師・医療機関の選び方が重要です。単に知名度の高い大病院を選ぶのではなく、「自分が具体的に相談したい内容(特定の症状や治療法)」と「その医療機関や在籍する医師の専門分野」が合致しているかを必ず事前に確認しましょう。

なお、身体の不調や移動の困難が伴いやすい難病患者さんへのサポートとして、近年はインターネットを活用した「オンライン・セカンドオピニオン(オンライン相談)」を導入する病院も増えています。遠方にある専門機関の意見を自宅から安全に聞くことができるため、選択肢の一つとして検討してみましょう。


セカンドオピニオンを受ける際の流れと費用・必要な準備

主治医にセカンドオピニオンの希望を伝えて「診療情報提供書(紹介状)」や検査データを用意してもらい、受診先の医療機関を予約して相談を受けます。

セカンドオピニオンを実りある時間にするためには、事前の順序の把握としっかりとした準備が欠かせません。

受診までの基本フロー

  1. 現在の主治医の意見(ファーストオピニオン)の理解
    診断名、病状、推奨される治療法とそのメリット・リスクを正しく確認します。

  2. 相談先の病院の選定
    自分の相談内容に合ったセカンドオピニオン外来を開設している医療機関を探します。

  3. 主治医への相談と書類の依頼
    セカンドオピニオンを受けたい旨を主治医に伝え、「診療情報提供書(紹介状)」と検査データ(画像データや血液検査結果など)を用意してもらいます。

  4. 受診先への予約・申し込み
    受診先のセカンドオピニオン窓口へ申し込みを行い、予約日を決定します(一般的に完全予約制です)。

  5. セカンドオピニオンの受診
    準備した質問メモなどをもとに相談します。

  6. 主治医への報告と対話
    相談先の医師が作成した報告書をもとに、現在の主治医と今後の治療計画について再び話し合います。


主治医に伝える際、切り出し方に悩む場合は、これまでの感謝を述べつつ「納得して前向きに治療を進めたい」という意思を示すとスムーズです。


Q. 診察中、どのように伝えればよいか具体的に教えてください。

例として、次のように伝えてみてはいかがでしょうか。

「先生にはこれまで親身に診ていただき、本当に感謝しています。提示していただいた治療方針で進めたい気持ちはあるのですが、自分自身もしっかりと納得して治療に臨みたいと考えております。大変恐れ入りますが、一度別の専門医の意見も参考に伺ってみたいので、診療情報提供書(紹介状)と検査データをご用意いただくことは可能でしょうか。」

主治医に直接相談しにくい場合は、病院内の患者相談窓口や、地域医療連携窓口などに相談する方法もあります。また、難病の場合には、地域の難病相談支援センターに相談することもできます。

Q. 費用や所要時間はどのくらいですか?

医療機関ごとに違いますが、30〜60分程度を目安に数万円程度に設定されていることが多いです。

セカンドオピニオンはいわゆる治療ではないため、公的医療保険が適用されず全額自己負担となってしまいます。受診する可能性がある医療機関に事前の確認が必要です。

また、セカンドオピニオンの時間を有効に使うため、何について悩んでいるのか、どのような質問をしたいのかを事前にノートやメモに整理して持参しておくとスムーズです。


本人が受診できない場合はどうする?ご家族のみでの相談可否と準備

患者さん本人が入院中であったり小児や体調不良で受診が難しかったりする場合でも、本人の同意書等を用意することで「ご家族のみ」での代理受診が可能なケースがあります。

難病や希少疾患では、患者さんご本人の体調が優れない場合や、小児の患者さんでご家族が意思決定をサポートする場合も多く見られます。そのような場合でも、セカンドオピニオンをあきらめる必要はありません。


Q. 患者本人が病院に行けない場合でも受診できますか?

医療機関によっては必要な書類を揃えることで、ご家族のみでの代理受診が認められる場合もあります。

必要書類は医療機関によって異なります。例えば、ご家族のみで受診する際には、通常の書類に加えて以下の準備が必要となります。


● 相談同意書(患者さん本人の署名・捺印あり)

患者さんがご家族に相談を委任していることを証明する書類です(受診先医療機関のウェブサイト等からダウンロードできる場合があります)。

● 同席するご家族全員分の身分証明書類

身元や続柄を確認するため戸籍に関する書類の提出を求められることがあります。

● 患者さん本人の意思や状態の整理

当日は患者さん本人の代わりに質問を行うため、ご本人が何に悩み、何を望んでいるのかを事前にしっかり話し合って整理しておくことが大切です。3)4)


なお、患者さん本人が意思表示できない状況(乳幼児や意識障害等)の場合は、同意書の扱いが異なることがあります。申し込み時に受診先のセカンドオピニオン窓口へ事情を伝えて確認しておくと安心です。


セカンドオピニオンに向かう際に気をつけたい注意点

急な症状悪化や緊急性の高い治療がある場合は主治医の指示を最優先し、自己判断で現在の治療や服薬を中断・延期しないことが何より大切です。

納得のいく治療を選ぶためのセカンドオピニオンですが、患者さんの安全と適切な医療を守るために、いくつか非常に重要な注意点があります。


● 自己判断で治療・服薬を中断しない

セカンドオピニオンを受ける状態であっても自己判断で処方されている薬の服用を止めたりするのは控えましょう。難病や進行性の疾患では、一時的な中断が病状を悪化させるリスクがあります。特に緊急を要する状況では主治医の指示を優先し、並行して相談が可能か確認すると安全です。

● 科学的根拠(エビデンス)に基づく中立的な視点

インターネット上の極端な成功例や民間療法に振り回されず、根拠に基づいた医学的見解を重視する視点を保つことが大切です。

● 結果の捉え方

セカンドオピニオンは多くの場合、「主治医とは違う新たな治療が見つかる場」ではありません。結果として主治医と同じ診断・治療方針を勧められることも少なくありません。しかし、それは「主治医の方針の妥当性が確認できた」という大きな収穫なのです。


なお、現在の医療機関に対する訴訟やトラブルの相談、過去の治療の是非についての審判を求めるような内容はセカンドオピニオンの対象外となりますのでご注意ください。


納得して前へ進むために、主治医や専門医と一緒に考えよう

セカンドオピニオンは、主治医を疑うための行為ではなく、患者さん自身が自らの病気を正しく理解し、後悔のない選択をして前へ進むための前向きな制度です。

難病や希少疾患の治療は長期にわたることが多く、一人で不安や悩みを抱え込んでしまううちに、誤った情報に惑わされるリスクが高まるケースもあります。患者さんが、信頼できる主治医から丁寧な説明を受け、必要に応じて別の専門医の知恵も借りながら、チーム全体と対話して意思決定を行うことこそが、最も安心できる医療の形です。

もしセカンドオピニオンの進め方に迷ったり、手続きや主治医への伝え方、最適な専門医の探し方に悩んだりした場合は、決して一人で抱え込まず、次のような相談窓口を活用してください。

● 難病相談支援センター

各都道府県に設置され、難病患者さんやご家族の日常生活・療養上の不安に関する相談に広く対応しています。5)

● 患者支援センター

拠点病院等に設置されていることがあります。セカンドオピニオンの対応だけでなく、療養上の不安や病気に関する不安などに幅広く対応しているケースがあります。

● かんしん広場

当財団が運営するポータルサイトであり、難病や希少疾患を抱える方々が直面する治療や生活の困りごとに寄り添い、患者会・コミュニティの情報を提供しています。6)


セカンドオピニオンというさらなる一歩を踏み出すことで、より納得のいく治療、そしてよりあなたらしい選択を見つけられるかもしれません。専門機関や医療従事者とともに、安心して未来へ進んでいきましょう。



【免責事項】

本記事は一般的な医療および健康に関する情報提供を目的としており、医師や専門の医療従事者による個別の診断、治療、投薬の指示などに代わるものではありません。ご自身の治療方針や具体的な病状、セカンドオピニオンの実施に関しては、必ず現在受診されている主治医や専門の医療機関にご相談ください。


【参考文献・URL】

1)厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・サポートサイト こころの耳 用語解説 セカンドオピニオン

2)がん情報サービス セカンドオピニオン

3)東大病院 セカンドオピニオンについて

4)国立がん研究センター 中央病院 セカンドオピニオン

5)難病情報センター 都道府県・指定都市難病相談支援センター一覧

6)一般財団法人 日本患者支援財団 かんしん広場