「『行きたい』をあきらめなくていいように」
難病のある子どもときょうだい、家族の一歩に寄り添う
前編では、公益社団法人 ON THE ROADsが取り組む、
子どもたちのいじめ相談や伴走支援について、
津田さんにお話を伺いました。
ON THE ROADsの活動は、いじめ相談だけではありません。
活動を続ける中で、難病のある子どもたちと
そのきょうだいが抱える思いにも目を向けるようになりました。
後編では、難病児・きょうだい児支援を始めた背景や、
家族で楽しめる旅行・体験活動、地域とのつながりづくりについて伺います。
1. いじめ相談から見えてきた「きょうだい」の存在
2 「難病のある子」と「きょうだい」を一緒に考える
3. 「旅行したい」という気持ちはあっても、一歩が踏み出せない
4. 大阪への旅行を「最初の一歩」に🔏
5. 医療面の不安を減らすために🔏
6. 地域の人たちとのつながりが、安心につながる🔏
7. 「特別な場所」ではなく、地域の日常へ🔏
8. 「近所に、こういう子どもがいる」と知ることから🔏
9. ON THE ROADsが目指す「地域のハブ」🔏
10. 「支援する側・される側」ではなく、一緒に楽しむ🔏
11. これから目指したい「地方都市モデル」🔏
12. 「みんな一緒に参加できる場所」をつくりたい🔏
13. 悩んでいる子どもたちへ伝えたいこと🔏
14. 最後に🔏
もともとは、いじめの相談を受けている中で、
子どもたちから家族の話を聞くことが多くなったことがきっかけの一つです。
例えば、
「きょうだいに重い病気があるんです」
「お母さんはお兄ちゃんのことで大変だから、自分のことで悩ませたくない」
という話をする子がいました。
以前から、難病のある子どものきょうだいが、学校生活の中でつらい思いをしたり、
自分の気持ちを我慢したりすることがあるという話は知っていました。
でも、実際に子どもたちから話を聞くと、「本当にそうなんだ」と感じました。
きょうだいも、当然一人の子どもです。
病気のある子どもを大切にすることはもちろん必要ですが、きょうだいにも、
その子自身の生活や気持ちがあります。
そこにも目を向けていかなければいけないと思うようになりました。
以前から、難病のある子どもたちの旅行支援をしていました。
最初は、どうしても「この子が安全に旅行できるか」ということに意識が向いていました。
医療的なことや移動のこと、必要な機器は何か、どこに行けば安全なのか。
もちろん、それはとても大切なことです。
でも、旅行を一緒にしていると、だんだん別のことも見えてくるんです。
「きょうだいは今、楽しんでいるかな?」
「本当は行きたいところがあるんじゃないかな?」
「我慢していないかな?」
と考えるようになりました。
難病のある子どもを中心に考えることは必要ですが、家族全体を見ることも大切なんですよね。
そこから、「病気のある子ども」と「きょうだい」の
両方を支える活動にしていこうと考えるようになりました。
「旅行に行きたい」という声は、すごく多いです。
アンケートなどを取っても、「やりたいこと」の中で旅行は上位に挙がります。
でも、「行きたい」と「実際に行く」の間には、大きな壁があります。
特に、呼吸器などの医療機器を使っている子どもがいる場合、
「行ってみたいけれど、何かあったらどうしよう」と考えてしまいます。
家族だけで旅行に行くとなると、準備も大変です。
宿泊先はどうするのか、移動はどうするのか、もし体調が悪くなったらどこに行くのか。
そして、経済的な負担もあります。
子育て中のご家庭ですから、仕事の都合もあります。
「旅行に行きたい」という気持ちはあっても、最初の一歩を踏み出すのが難しいんです。
だからこそ、私たちは「そのご家族が一番やりたいけれど、一番難しいと思っていること」を、
一緒に実現してみようと考えています。.....................................