病気のある子の「きょうだい」にも、安心できる場所を
しぶたね 清田さん・シブレッドさんインタビュー
病気や障害のある子どもがいる家庭では、
どうしてもその子の治療やケアに多くの時間や目が向けられます。
その一方で、同じ家庭で暮らす「きょうだい」は、
どのような気持ちを抱えているのでしょうか。
「寂しい」「不安」「もっと自分を見てほしい」。
そんな気持ちを抱えながらも、「自分がしっかりしなければ」と我慢したり、
家族を気遣ったりする子どもたちもいます。
病気や障害のある子どものきょうだいを「きょうだいさん」と呼び、
きょうだいたちが安心して過ごせる場をつくる活動を続けているのが、
NPO法人しぶたねです。
今回は、しぶたねの清田さんとシブレッドさんに、活動を始めたきっかけや、
きょうだいたちが抱えているさまざまな気持ちについてお話を伺いました。
1. 病気のある子の「きょうだい」のために
2.活動の原点は、病院の廊下で待つきょうだいたち
3. 「しぶたね」という名前に込めた思い
4. きょうだいたちは、さまざまな気持ちを抱えている🔏
5. 「うちの普通」から始まるきょうだいたち🔏
6. 友達には言えない。きょうだいの存在を話さないことも🔏
7. 「自分の人生」を後回しにしてしまうことも🔏
8. 「頑張る子」と「学校に行けなくなる子」🔏
9. 「何か起きて当たり前」から始めたい🔏
10. 「あなたのことを大切に思っている人がいる」🔏

私たちは、病気のある子のきょうだいのための団体です。
きょうだいたちが、同じ立場の仲間と出会ったり、親御さんや家族と一緒に過ごしたり、
安心して楽しめる時間を持てるような活動をしています。
たとえば、きょうだい向けのイベントを開催したり、
病院の廊下で待っているきょうだいたちと一緒に過ごしたり、
病院の中で行われるイベントのお手伝いをしたりしています。
また、きょうだいを支援する人たちがつながるための研修を開いたり、
社会に向けて啓発活動を行ったりもしています。
大きく言えば、きょうだいたちの「安心」を増やすこと。
そして、応援の輪が、きょうだいたちのまわりにもっと広がっていくように、
社会への理解を広めていくこと。
それが、私たちの活動です。
清田さん:
私の弟が心臓病で、17歳のときに亡くなりました。
私が中学生の頃、弟が入院している病院に行くと、感染予防のため、
中学生以下の子どもは、きょうだいであっても小児病棟の中に入ることができませんでした。
親御さんが面会に行っている間、何時間も病院の廊下で待っている子どもたちがいたんです。
私は中学生だったので、宿題をしながら待っていました。
でも、2~3歳くらいの小さなきょうだいが、ずっと「ママ」と泣き続けている。
そして、自分はそこから先に入ってはいけないことも、子どもながらにちゃんと分かっているんです。
その光景を見たとき、中学生の自分でも「すごくつらいな」と感じました。
「この子、ちゃんと大きくなれるのかな」と心配になるような光景でした。
「なんとか、これを変えられないかな」
その思いが、今のしぶたねの活動の原点になっています。
「きょうだい」という言葉には、兄・姉・弟・妹など、いろいろな関係があります。
英語では、兄弟姉妹をまとめて「sibling(シブリング)」と言います。
その「シブリング」の「シブ」と、「種をまく」という意味の「たね」を合わせて、
「しぶたね」と名付けました。
きょうだいが安心して話せたり、安心して過ごせたりする「場所」や「人」が増えていったらいい。
そんな種をまいて、少しずつ増やしていけたら――。
そんな思いが込められています。
最初は「しぶたね(Sibling Support たねまきプロジェクト)」という
ボランティアグループから始まり、2016年にNPO法人しぶたねになりました。.....................................