2026/9/24 更新
患者会とは、同じ病気や障害のある患者さんやその家族がつながり、情報交換や交流などを行う団体です。
難病の患者会には、疾患別、地域型、家族会、オンライン中心などさまざまな形があり、活動内容や参加条件も団体によって異なります。
この記事では、患者会の役割や活動内容だけでなく、自分に合った患者会を探す方法、参加前に確認したいこと、公的な相談先まで整理します。
難病患者会は、患者さんや家族が経験や情報を共有し、同じ病気と向き合う人同士でつながるための場の一つです。
行政機関や医療機関とは異なり、当事者や家族が主体となって運営している団体も多く、法人格の有無や活動規模、参加方法は会によって異なります。
主な役割として、病気や治療に関する情報交換、療養生活の工夫の共有、交流会や相談活動、医療・福祉制度に関する情報提供などがあります。
一部の患者会では、疾患への理解を広げる啓発活動や、行政への要望、研究への協力なども行っています。
難病では患者数が少なく、身近に同じ病気の人がいない場合もあります。患者会は「同じ病気の人と話したい」「他の人がどのように生活しているか知りたい」ときの選択肢になります。ただし、参加は任意であり、患者会に参加すれば必ず悩みが解決するというものではありません。
患者会の活動は団体ごとに異なりますが、情報提供、患者・家族の交流、療養生活に関する情報共有、社会への発信などが代表的です。
すべての患者会が同じ活動を行っているわけではないため、参加前に公式サイトなどで内容を確認しましょう。
医療講演会や勉強会、会報、Webサイトなどを通じて、病気や研究、治療、社会保障制度に関する情報を発信する患者会があります。
また、患者同士で「通院時に工夫していること」「学校や職場にどのように説明しているか」など、生活上の経験を共有することもあります。
患者さんの経験談は参考になる一方、医学的な根拠が確認された情報とは異なります。
同じ病気でも症状や治療方針は一人ひとり異なるため、治療法や薬の変更など医療上の判断は、主治医などの医療専門家や公的機関の情報でも確認することが大切です。
交流会、座談会、勉強会、オンライン交流、ピアサポートなどを行う団体があります。
家族会では、患者本人だけでなく、支える家族同士が療養生活や介護、学校生活などについて情報交換することもあります。
就労、学校生活、子育て、福祉制度、福祉用具などについて情報を共有する患者会もあります。
また、疾患の認知を広げるイベント、署名活動、行政等への要望、政策提言などを行う団体もあります。
活動への関わり方は団体によって異なり、交流会だけ参加できる場合もあります。
患者会は、対象となる病気、活動地域、参加する人、活動方法によって分けて考えると、自分に合う会を探しやすくなります。
一つの団体が複数の特徴を持つこともあります。
▼一覧表
| 種類 | 主な特徴 | 向いている人の例 |
|---|---|---|
| 疾患別患者会 | 特定の病気の患者・家族が中心 | 同じ病気の人と詳しく情報交換したい |
| 難病全般の患者団体 | 複数の難病を対象に制度・社会課題などにも取り組む | 疾患を越えた支援情報を知りたい |
| 地域の患者会 | 都道府県・市区町村など地域を中心に活動 | 近くの患者・家族と交流したい |
| 家族会 | 家族を中心に相談・交流する | 家族の立場で情報交換したい |
| オンライン中心の会 | SNSやWeb会議などを活用して交流 | 外出が難しい、遠方の人とつながりたい |
患者会と「交流会」は同じ意味ではありません。
患者会は継続的に活動する団体を指すことが多く、交流会は患者会や支援機関が開催する一回ごとの集まり・イベントを指すことがあります。入会せずに交流会だけ参加できる場合もあるため、参加方法を確認してみましょう。
患者会を探すときは、まず難病情報センターや地域の難病相談支援センターなど、公的・公的性格の強い情報源から確認すると探しやすくなります。
見つけた団体については、公式サイトや問い合わせ先で現在の活動状況を確認しましょう。
▼患者会の探し方
| 探し方 | 確認できること・特徴 |
|---|---|
| 難病情報センター | JPA加盟団体や、掲載申請のあった患者団体を確認できる |
| 難病相談支援センター | 地域の患者会や交流の場について相談できる場合がある |
| 医療機関 | 主治医、看護師、医療ソーシャルワーカー等に相談できる |
| 自治体 | 難病担当窓口などで地域の支援情報を確認できる場合がある |
| 公式サイト・SNS | 活動内容、対象者、会費、参加方法、開催情報などを確認できる |
難病情報センターの「患者会情報」には、一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会(JPA)の加盟団体と、JPA加盟団体を除く患者団体の50音順一覧が掲載されています。疾患名や団体名から探す際の入口として利用できます。
なお、難病情報センターは、掲載されている各患者団体の活動内容やリンク先の情報について責任を負うものではなく、患者会に関する質問は各団体へ直接問い合わせるよう案内しています。気になる団体を見つけたら、公式サイトの更新日や問い合わせ先を確認しましょう。
難病相談支援センターは、都道府県・指定都市に設置され、療養生活上の相談や情報提供のほか、患者さんの自主的な活動への支援などを行っています。
地域の患者会や交流機会について情報を得られる場合がありますが、対応内容はセンターによって異なります。
主治医、看護師、医療ソーシャルワーカーに「同じ病気の患者会を探している」と相談する方法もあります。自治体の難病担当窓口から地域の情報を得られる場合もあります。JPAの「希少疾患交流情報サイト」では、病名から患者会を探せるページも公開されています。
参加を検討する場合は、
①団体を探す → ②公式情報で活動内容・対象者・費用を確認する → ③問い合わせる → ④見学や交流会への参加が可能なら試してみる → ⑤継続して参加するか考える
という流れで進めると安心です。
患者会では、同じ病気の人の経験や生活上の工夫に触れたり、家族同士で情報交換したりできます。
制度や研究、イベントを知るきっかけになることもあります。一方で、活動内容や雰囲気は団体ごとに異なるため、自分が求めていることと合うかを確認することが大切です。
参加前には、次の点を確認してみましょう。
「同じ病気の人と話したい」「家族として相談したい」「治療や研究の情報を知りたい」など、自分が求めていることを整理しておくと、患者会を選びやすくなります。
患者会は患者・家族の経験を知る機会になり得ますが、医療機関や公的相談窓口の代わりではありません。
情報の受け取り方や個人情報の扱いに注意し、自分に無理のない範囲で参加しましょう。
「この治療で良くなった」「この薬が合った」といった話は、その人自身の経験です。
同じ病気でも病状や治療歴は異なるため、自分にも同じ結果が得られるとは限りません。
治療や服薬、症状への対処など医療上の判断に関わる内容は、主治医などの医療専門家へ相談してください。
患者会やオンラインコミュニティでは、氏名、住所、連絡先、病歴、検査結果、家族情報、写真などを必要以上に公開しないよう注意しましょう。
SNSでは公開範囲だけでなく、投稿が転載されたり、スクリーンショットで保存されたりする可能性も考えておく必要があります。
患者会への参加は任意です。
会費、参加条件、活動頻度、退会方法などは団体によって異なります。
体調や生活状況に合わせ、見学やオンライン参加など無理のない方法を選びましょう。
患者会が見つからない場合や、どこに相談すればよいか分からない場合は、難病情報センターの患者会情報を確認するほか、地域の難病相談支援センター、自治体の難病担当窓口、医療機関の医療ソーシャルワーカーなどに相談できます。
A. 同じ病気の患者さんや家族から、療養生活の経験や工夫、制度などの情報を聞けることがあります。
ただし、得られる情報や交流の内容は団体によって異なり、すべての人に合うとは限りません。
自分が求める情報や交流の形と合っているかを確認しましょう。
A. 難病情報センターの患者会情報から探す方法があります。
また、難病相談支援センター、医療機関、自治体の難病担当窓口に相談する方法もあります。
見つけた団体については、公式サイト等で最新の活動状況を確認してください。
A. 団体によって異なります。
入会金や年会費が必要な会、イベントごとに参加費が必要な会、無料の交流会などがあります。
入会前に会費や参加費、退会方法などを確認しましょう。
A. 家族を対象とした会や、患者本人・家族のどちらも参加できる会があります。
また、オンライン交流を行う団体もあります。
対象者や参加方法は会によって異なるため、公式案内を確認してください。
A. 患者さんの経験談は参考になることがありますが、医学的に確認された情報とは区別する必要があります。
治療法、薬、症状への対処など医療上の判断に関わる内容は、主治医や公的な情報源でも確認してください。
難病の患者会は、患者さんや家族がつながり、情報交換や交流を行う場の一つです。
活動内容は、医療・制度情報の提供、交流会、ピアサポート、生活上の情報共有、啓発や政策提言など、団体によってさまざまです。
患者会を探すときは、難病情報センターの患者会情報、地域の難病相談支援センター、医療機関、自治体などを活用できます。
インターネットやSNSで見つけた場合も、公式サイトで現在の活動状況、参加条件、会費などを確認しましょう。
患者会への参加は任意です。自分が求める情報や交流の形、活動頻度、個人情報の扱いなどを確認し、無理のない範囲で利用することが大切です。
患者会が見つからない場合や参加を迷う場合は、公的な相談窓口に相談することも選択肢になります。
【参考文献】
患者会はなにをするところ|一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会