大阪母子医療センター 内科系診療局長/腎・代謝科 主任部長 窪田 拓生 先生 監修コラム①
成長に合わせて考えたい、軟骨無形成症との暮らし
― 乳幼児期から成人期まで、その人らしく生活するために ―
軟骨無形成症とともに生活していると、成長するにつれて「今までとは違う困りごと」が出てくることがあります。
乳幼児期には抱っこや移動、学童期には学校生活や体育の授業、思春期以降は進学や就職など、
ライフステージによって必要なサポートは変わっていきます。
大切なのは、「できないこと」に目を向けるだけではなく、環境や方法を工夫することで、できることを増やしていくという視点です。
乳幼児期には、運動発達や身体の成長を見ながら、
定期的に医療機関で状態を確認していくことが大切です。
軟骨無形成症では、頭蓋底の狭窄、睡眠時の呼吸の問題、
中耳炎など、年齢に応じて注意したい合併症があります。
特に乳幼児期には、睡眠中の呼吸状態などを含めた注意深い管理が重要とされています。
家庭では、
など、普段の様子を見ておくことも大切です。
気になることがあれば、「こんなことで相談していいのかな」と迷わず、主治医に相談しましょう。


成長して学校へ通うようになると、教室やトイレ、手洗い場、体育など、
さまざまな場面で工夫が必要になることがあります。
例えば、
など、環境を少し変えることで過ごしやすくなることがあります。
「特別なことをしてもらう」のではなく、本人が自分の力を発揮するために必要な環境を整えると考えるとよいでしょう。
成長すると、進学、就職、外出など、
自分自身でさまざまなことを決める機会が増えていきます。
その中では、「自分にはどんな配慮が必要なのか」を自分自身が理解し、
必要なときに周囲へ伝えられることも大切になります。
例えば、
というように、具体的に伝えることで、周囲と一緒に方法を考えやすくなります。


軟骨無形成症のある人の生活では、身体的な特徴によって不便を感じる場面があります。
しかし、その不便さのすべてが「本人の能力」によるものとは限りません。
そうした工夫によって、できることは増えていきます。
大切なのは、年齢や生活環境の変化に合わせて、「今の自分に合った方法」を一緒に探していくことです。
軟骨無形成症では、成長に合わせて身体の状態を確認し、
必要な検査や治療を受けることが大切です。
一方で、医療だけでは解決できない生活上の困りごともあります。
家族、学校、職場、医療者など、周囲の人と相談しながら、その時々に必要な環境を整えていきましょう。
「病気があるからできない」と決めつけるのではなく、
「どうすれば、その人らしく生活できるか」
を考えること。
それが、軟骨無形成症とともに生活していくうえで大切な視点の一つです。

監修 大阪母子医療センター 内科系診療局長/腎・代謝科 主任部長 窪田 拓生 先生
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