大阪母子医療センター 内科系診療局長/腎・代謝科 主任部長 窪田 拓生 先生 監修コラム①
低リン血症とともに暮らすために知っておきたいこと
― 痛みや疲れ、運動と上手に付き合うために ―
「歩くと足が痛くなる」
「長時間立っているのがつらい」
「以前より疲れやすくなった気がする」
ビタミンD抵抗性くる病/骨軟化症とともに生活していると、日常のさまざまな場面で身体の負担を感じることがあります。
ビタミンD抵抗性くる病/骨軟化症は、低リン血症によって骨の石灰化がうまく進まなくなる疾患です。
子どもの時期に発症する「くる病」では、O脚やX脚などの骨変形、成長障害などがみられることがあります。
また、成人期に発症する「骨軟化症」では、骨の痛みや筋力低下などが主な症状となることがあります。
症状や程度には個人差があるため、「この生活方法が正解」というものがすべての人に当てはまるわけではありません。
大切なのは、自分の身体の状態を知り、無理をしすぎず、その時々に合った方法を探していくことです。
身体に痛みがあったり、疲れやすかったりすると、
「これは自分にはできない」と考えてしまうことがあるかもしれません。
しかし、方法や環境を変えることで、できることが増える場合があります。
例えば、
などです。
「できるか、できないか」だけではなく、「どうすれば無理なくできるか」
という視点で考えてみましょう。


骨や筋肉の痛みがあると、「これくらいなら我慢しよう」と思ってしまうこともあります。
しかし、痛みが続いている場合や、これまでとは違う痛みが出てきた場合には、
主治医に相談することが大切です。
受診の際には、
・いつから痛みがあるのか
・どこが痛いのか
・どんなときに痛くなるのか
・休むと楽になるのか
・以前と比べて痛みが強くなっているのか
などを伝えると、医療者が状態を把握するための参考になります。
スマートフォンや手帳などに、気づいたことを簡単に記録しておくのもよいでしょう。
「骨が弱いなら、運動はしないほうがいいのでは?」
と考える方もいるかもしれません。
運動の種類や量、身体の状態によっては、身体への負担が大きくなることもあります。
そのため、「運動はしてはいけない」と一律に考えるのではなく、
現在の身体の状態に合わせて、
どのような運動が適しているのかを医療者と相談することが大切です。
学校の体育に参加したい、好きなスポーツを続けたい、運動習慣をつけたい――。
そんな希望がある場合には、主治医に相談してみましょう。


学校や職場では、周囲からは見えにくい困りごとがあるかもしれません。
例えば、
「長時間立っているのがつらい」
「移動に時間がかかる」
「重い荷物を持つことが難しい」
「途中で休憩をとると体調を保ちやすい」
などです。
こうした困りごとは、本人だけで抱え込まず、家族や学校、
職場の担当者などに相談してみましょう。
必要な環境を整えることは、「特別扱い」ではありません。
その人が持っている力を発揮するための環境をつくることです。
同じ人でも、毎日同じ体調とは限りません。
「今日はいつもより痛い」
「今日は長く歩けた」
「少し休めば活動できた」
など、その日の身体の状態を知ることも大切です。
無理をして体調を崩してしまうより、自分の身体と相談しながら活動量を調整していきましょう。


ビタミンD抵抗性くる病/骨軟化症では、定期的に医療機関を受診し、血液や尿の検査、
骨の状態などを確認しながら治療を続けていきます。
治療中は、検査結果だけでなく、痛みや筋力、歩き方、日常生活での困りごと
などについても医療者に伝えることが大切です。
治療内容によっては、定期的な検査を行いながら、効果や副作用を確認していきます。
病気があるからといって、やりたいことをすべてあきらめる必要はありません。
「何ができないか」ではなく、「どうすればできるか」。
自分の身体の状態を知り、必要なときには周囲の力を借りながら、
自分に合った生活の方法を探していきましょう。
監修 大阪母子医療センター 内科系診療局長/腎・代謝科 主任部長 窪田 拓生 先生
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