脊髄性筋萎縮症 あそどっぐさん インタビュー(後編)

「寝たきりになったからこそ、活動の幅が広がった」

「できない」と決める前に、「どうやったらできる?」

――工夫から生まれた新しい世界


前編では、あそどっぐさんがSMAとともに過ごした子ども時代から、

学校生活で経験したさまざまな壁、

そして高校時代に始めたお笑い活動についてお話を伺いました。


一度は大切な相方との別れを経験し、お笑いを諦めたあそどっぐさん。

しかし、インターネットとの出会いをきっかけに、

30歳を過ぎてから再びお笑いに挑戦します。


そして現在は、YouTubeやステージ、テレビなどで活動しながら、

障害をテーマにした笑いを届けています。


後編では、SMAの進行によって「座ること」が難しくなり、

寝たきりになった経験について伺いました。


身体の状態が変化することは、決して簡単なことではありません。

しかし、あそどっぐさんは、その変化をきっかけに

「できることが増えた」と感じたといいます。


さらに現在は、障害のある人たちと一緒に格闘ゲームのチームを立ち上げ、

全国のメンバーとオンラインで活動しています。


「やり方を変えれば、何でもできる」


その言葉の背景にある、あそどっぐさんの経験を伺いました。

インタビュー目次

1.   「寝たきりになったら、活動の幅がすごく広がった」

2. 「寝たままだからこそ、できることもある」

3.    3人から始まったゲームチーム。今では11人に

4.   小学生のメンバーも。「一生懸命やっていて、すごくかわいい」🔏

5.    「やり方を変えれば、何でもできる」🔏

6.   「自分だけでやることはない」🔏

7.   YouTubeは「自分の好きなことができる」🔏

8.   「反応があるっていうのは、やっぱり嬉しい」🔏

9.   SMAの治療が大きく変わったことへの思い🔏

10.   「SMAについて、知ってほしい」というより、「工夫すればできること」を伝えたい🔏

11.   これから挑戦したいことは?🔏

12.   「障害が進むことが、すべて悪いわけじゃない」🔏

13.   「やりたいことに向かって、生きてもらえたら」🔏

14.   「できない」を「どうしたらできる?」に🔏


「寝たきりになったら、活動の幅がすごく広がった」

SMAの進行によって、身体の状態は少しずつ変化していきます。

あそどっぐさんも、以前は身体がきつい中でも、頑張って座ることを続けていました。


「寝たきりの状態になる前までは、頑張って座っていたんです。体がきついのに」


座っていられる時間には限りがあり、2時間ほどすると横になって休む必要がありました。


「そうすると、活動範囲がすごく狭くなっちゃうんですよ」


座ることそのものに体力を使う。

移動して、活動して、また身体を休ませる。

そんな生活の中では、やりたいことがあっても、身体への負担を考えなければなりませんでした。

そして、いよいよ座ることが難しくなり、寝たきりの状態になりました。


ところが、そこで思いがけない変化が起こります。

「寝たままなので、座る必要がないんですよね。そうすると、すごく活動の幅が広がったんです」


「寝たきりになったら、できることが減る」。


そう考えるのが一般的かもしれません。

しかし、あそどっぐさんにとっては、必ずしもそうではありませんでした。


「寝たままだからこそ、できることもある」

寝たきりになったことで、長時間座っていることによる身体への負担がなくなり、

それまでとは違う活動にも挑戦できるようになりました。


現在力を入れている活動のひとつが、格闘ゲームです。


「今、格闘ゲームの障害者チームを作っているんですよ」

格闘ゲームといえば、複雑な操作が必要で、素早いボタン操作やコントローラーの

操作が求められるジャンルです。

身体を自由に動かすことが難しい人にとっては、「難しい」と思われるかもしれません。

しかし、あそどっぐさんは、そこで「できない」とは考えませんでした。


「手が動かない人とかが、一番難しいと言われている格闘ゲームをやっているんです」


そのために使っているのが、それぞれの身体状況に合わせたデバイスです。


「みんな、それぞれデバイスを工夫してやっているんです」


身体の動かし方に合わせて機器を工夫する。

操作方法を変える。

そして、できる方法を探す。

そこから、これまで考えもしなかった新しい世界が広がりました。


3人から始まったゲームチーム。今では11人に

ゲームチームを始めたきっかけは、あそどっぐさんと同じように障害がありながら、

ゲームがとても上手な人との出会いでした。


「もともと、私みたいな人ですごくゲームが上手い方がいて。その方に呼びかけて、最初は3人で始めたチームなんです」


それが現在では、11人にまで増えました。

メンバーは全国各地。


「北は北海道から南までいます」


月2回、オンラインで集まって練習や交流をしています。


「すごく楽しいです。部活みたいな感じで、たわいもない話もします」


ゲームをするだけではありません。

それぞれが同じような身体的な困難を抱えながら、「やりたいことをやる」ために工夫している。

だからこそ、話が合うことも多いそうです。


「お互い、障害を持った人たちで、やりたいことも似ているので、結構話はありますね」..................................




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